「円高上等、円安もなお結構」の精神でいこう 「円高恐怖症」が円高を招く一因になっている

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「なに、日本は円高の方が具合がいいんだ。可処分所得が増えるし、個人消費にもプラスだ。1ドル100円割れでも、結構なことじゃないか」てなことをもっと多くの人が言うようになると、余計な円高要因がひとつ減るんじゃないかと思う。

つまり日本経済はすき好んで、為替市場で「いじめられっ子」になっている。日本人は「痩せ我慢」は得意なんだが、英国式の「ポーカーフェイス」はあんまり上手じゃない。「円高上等、円安もなお結構」と涼しい顔ができるようになると、いろんなことが楽になるんじゃないだろうか。

宝塚記念はアンビシャスを狙う

さて、今週末は2016年上半期最後のグランプリレース、宝塚記念である。ファン投票の1位は、ご存知サブちゃんこと北島三郎さんが所有するキタサンブラックであった。春の天皇賞で2つ目のG1を勝ったし、有馬記念で3位につけた実績もあるけれども、ここでは買わない。

人気第1位はドゥラメンテ。筆者は今年2月、中山記念のスタンドでドゥラメンテのゴールを見た際に確信した。この馬こそが日本最強馬であると。ただしドバイ・シーマクラシック2着の遠征帰りと、阪神競馬場が初めてという点を少しだけ割り引きたい。

それというのも宝塚記念は、賞金1億5000万円の高額グランプリレースだが、意外なくらいG1初勝利馬がいるのである。昨年のラブリーデイを筆頭に、アーネストリー、ナカヤマフェスタなどが思い浮かぶ。

そこで宝塚記念での狙いは、中山記念でドゥラメンテにわずかに届かぬ2着となり、産経大阪杯ではキタサンブラックに先着したアンビシャスとする。ディープ産駒にしては、中山と阪神競馬場を苦にしていないのも強み。さらに鞍上は、このところG1勝ちから遠ざかっているが、2014年、ゴールドシップでこのレースを制している横山典弘騎手。これぞ狙い目というものではないか。当日のオッズ次第では単勝でドンと行きたいが、ドゥラメンテと2頭軸の三連複でカレンミロティックやステファノスなどの薄目に流すのも面白そうだ。

いずれにせよ、今年上半期をスッキリいい気分で締めくくりたい。

かんべえ(吉崎 達彦) 双日総合研究所チーフエコノミスト

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Kanbee

吉崎達彦/1960年富山県生まれ。双日総合研究所チーフエコノミスト。かんべえの名前で親しまれるエコノミストで、米国などを中心とする国際問題研究家でもある。一橋大学卒業後、日商岩井入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員や、経済同友会代表幹事秘書・調査役などを経て2004年から現職。日銀第28代総裁の速水優氏の懐刀だったことは知る人ぞ知る事実。エコノミストとして活躍するかたわら、テレビ、ラジオのコメンテーターとしてわかりやすい解説には定評がある。また同氏のブログ「溜池通信」は連載500回を超え、米国や国際政治ウォッチャー、株式ストラテジストなども注目する人気サイト。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『アメリカの論理』(新潮新書)など多数。競馬での馬券戦略は、大枚をはたかず、本命から中穴を狙うのが基本。的中率はなかなかのもの。

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