中野:それにしても、5月は大した話題にもならなかったのに、6月に入ってから急にブレグジットの問題が注目されるようになりましたね。やはり離脱派が増えたからでしょうか。
渋澤:なぜだろうね。
藤野:メンタル的には、米国での銃乱射事件も大きかったのではないでしょうか。あれで移民は良くないよね、というムードが醸成された面はあると思います。ただ、ISが犯行声明を出しましたが、本当にイスラム過激派の仕業なのか、それとも反LGBT勢力の仕業なのか、今ひとつよくわからない。いずれにしても、あの事件が政治的に利用されている部分はあると思います。
良識派とナショナリストの軋轢が噴出
渋澤:これはイギリスに限った話ではないのですが、グローバルに考えると、何というか、良識派とナショナリストの間の軋轢みたいなものが、ここかしこで噴出しているように感じます。
日本のヘイトスピーチもそうだし、米国のトランプ現象もそのひとつでしょう。草食投資家としては、皆仲良く、経済のパイを大きくしていきたいと考えているのですが、一方で「おらが村」的なムードが強まっているのも事実です。その原因を考えてみると、結局のところ富の再分配がうまく機能していないのでしょうね。
中野:移民が大挙して押し寄せてきて、職が奪われているからでしょう。
渋澤:もちろん、そうなのですが、経済が元気なら、こんなことは起こらないはずなのですよ。こうしたいざこざが、ここかしこで起こるのは、世界経済の成長が行き詰まってきたからだと思います。
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