中野:でも、もしイギリスがEUから離脱ということになった時、プラスの材料って何でしょう。ついでにちょっと考えてみましょうよ。
渋澤:中野さん、何か思いつく?
中野:え~っと、イギリスの大英帝国としてのプライドは保たれる。
渋澤:でも、藤野さんの弁を借りると、スコットランドはEUについて、再びユナイテッド・キングダムの分裂危機が訪れる。
藤野:何しろスコットランドは北海油田の権益を持っていますからね。
渋澤:そう。小さくても豊かな国になれる可能性があります。そしてイギリスは、ポンド安で輸入物価が上昇。関税の問題も生じてきます。
ものすごい円高になる可能性も
中野:えっと、良いことを探すって話でしたよね。
渋澤:探そうとしてはいるのですが……。良いことって、何もないんじゃない?
中野:やっぱダメですかね~。じゃあ、日本への影響ってどうでしょう。
藤野:そうですね。恐らく英ポンドとともにユーロが大きく売られると思うのですが、逆に見ると、ものすごい円高になる可能性があります。下手をすれば1ドル=90円台も視野に入ってくるでしょうし、そうなったら日経平均株価も1万円割れギリギリになるでしょうね。
渋澤:日本の輸入産業は買いじゃないですか。
藤野:逆にインバウンドがヤバイ。
中野:正直なところ、英国民がヒステリックになっている面はありますね。冷静さを欠いています。本来ならEUに留まるべきでしょう。今、3人で考えたように、離脱することで得られるプラス効果は、ほとんどないのですから。
藤野:あとは、先日の英議員刺殺事件で残留派への同情票が増えているという話もあるので、期待するとしたら、そこくらいでしょうか。
中野:国民投票で離脱派が勝ったら、覆すのは不可能なのですよね。
藤野:ただ、1年間の経過措置があるって話ですよ。
中野:あ、じゃあ、その経過措置の期間中に、「離脱しようと思ったけど、やっぱりうまくいきそうにないので、やめます。ごめんなさい」って謝る手はありそうですね。
渋澤:イギリスの外交はなかなかしたたかだから、そのくらいのことはやるかもしれませんね。
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