東京は1週間が限度。愛知で平和ボケしてます 出稼ぎ美容師、オーストラリア→東京→豊橋へ

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――では、なぜ毎月1週間も東京に行くのですか。昔のお客さんへの義理?

豊橋にずっといると感覚が鈍ります。友だちも結婚して落ち着いている人が多いので、家庭や子どもの話が中心になりますよね。それはそれでいいけれど、フラフラしている私は「まだそんなことやっているの?」と言われそう。東京は柔軟な考え方の友だちが多いのでやっぱり好きですね。

東京出張での収支ですか? 友だち夫婦の家に居候させてもらっているので滞在費はかかりません。でも、お酒を飲んだり買い物をしたりするので、髪を切って稼いだお金はほとんどなくなってしまいます。

豊橋には東京から転勤で来た人もいるので、「標準語が懐かしい!」と喜んでもらえますよ。逆に東京のお客さんからは「ありえないほど訛っているね」と言われますけど。

 

世界一周旅行までして3年間一緒にいた彼と別れた後、鈴木さんに恋人はいるのだろうか。ストレートに聞いたのだが「それはちょっと…」とはぐらかされてしまった。つかず離れずの客あしらいである。気になる。髪を切りに行くペースが上がってしまいそうだ。

競争が激化している美容師業界で、各地の客を自分のスケジュールに合わせて待たせているのは並大抵の技量ではない。ハイレベルの美容室が集まる代官山で基礎を培い、オーストラリアで孤軍奮闘して鍛えた技術がベースになっているのだろう。「嘘はつかない」「無理な接客はしない」というクールな姿勢も一定のニーズをつかんでいると感じた。

高校卒業後の10年間は憧れの東京と海外で暮らし、愛知に戻った鈴木さん。「平和ボケしそうなほど何の不満もない生活」という言葉が耳に残った。


●購読紙 ありません。喫茶店でたまに読む程度です。
●定期的に買っている雑誌 『ブルータス』や『トランジット』で海外旅行特集をしていれば買います。
●欠かさず見ているテレビ番組 『世界の果てまでイッテQ!』、『劇的ビフォーアフター』
●好きなWebサイト 特にありません。ネットをフラフラ見る程度。
●よく訪れる飲食店 豊橋の老舗うどん店『篠嶋屋』。「海老くずし」を食べるたびに感動します。
●県外の友だちが来たら連れて行きたい場所 表浜(渥美半島の太平洋側の海岸)。人が全然いません。焚き火の跡があるぐらい。
●愛知の好きなところ 誰も急いでいない。おおらかでまったりとした空気。
●愛知の嫌いなところ 飲みに行きたい小洒落た店が少ない。
●東京の好きなところ ほしいもの、したいことがすぐそこにある。ないものがない。
●東京の嫌いなところ 他人な感じの空気が疲れる。
●学歴 杉山小学校→章南中学校→豊橋東高校→国際文化理容美容専門学校(渋谷校)
●出身地 愛知県豊橋市杉山町
●現住所 愛知県豊橋市
●愛知県人歴(通算) 20年

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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