英国、EU離脱で欧州諸国から受ける「報復」

そう簡単に抜けれると思ったら大間違い

さらに、トゥスク大統領は「誰もその長期的な影響を予測できない。歴史を学んだ私が恐れているのは、ブリグジットがEUの滅亡の始まりになることだけでなく、西側諸国の政治文明滅亡の端緒となることだ」と話した。

トゥスク大統領によると、英国はEUと新たな関係を構築するために厳しい交渉を行わなければならず、少なくとも7年間は不確実な状況に置かれることになるだろうという。

有権者はさらなる「欧州化」を求めていない

英国民が離脱の選択をした場合に備えて、フランスとドイツはその直後に欧州の安全に関する共同イニシアチブを発表することを議論している。おそらくは、象徴的なものであっても作戦司令本部などを置き、EUが団結していること、また英国が抜けてもEUは前進し続けることを示そうとすると思われる。

ただし、ドイツはこれまで、欧州委員会(EUの政策執行機関)が提案した、「欧州の政治的・財政的な統合を加速する」という対応策をいくつか拒否してきた。今月にはスペインでの選挙、来年にはフランスやドイツでの選挙が控えている中で、有権者は「より欧州化すること」を求めていないと理解しているからだ。

EU離脱派の英国の政治家は、EUとの新たな貿易協定では、英国にとってより好ましい条件が得られるだろうと示唆している。しかし、欧州の首脳らはEUを離脱した国にさらなる譲歩などしたくはなく、英国のそうした考えを一蹴するだろう、と関係者らは言う。そうすることで、自国だけに特別な条件を求めようとする英国以外の国々をもけん制するのである。

英国政府が、EUからの脱退を定めたEU条約第50条を行使すると決めた場合、主要欧州諸国は二段階の交渉を行うことを想定している。第50条で定められた離脱に関する交渉期間は2年間だ。

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