「微妙な英語力」でも世界で活躍できるワケ @May_Romaが見た非ネイティブの「スゴ技」
大学側の目的は、自分の大学の研究レベルや、よい研究をやることによって企業や政府から研究資金や補助金を得ること、さらに、優秀な学生を引き寄せて大学の人気を向上することなどです。そのため、研究実績のある人は、外国人であっても喜んで迎えます。ところが、研究実績というのは、その人がどういう英語の使い手か、ということは問いません。
さて、ここで悲劇が発生します。
訛りは全く気にせずに仕事をしている
これは私が学生時代に私の友人たちが、米国のある大学院で体験した例です。
その授業は、学位取得に必修の授業で、100人近くの学生が受講していました。必修ですが、割と難しい科目で、その学部に在籍する友人たちはかなり苦労していましいた。科目自体が難しいのも問題だったのですが、友人達が何より苦労していたのは、その教授の英語の訛りだったのです!
その先生は、研究者としては実績があり、様々な論文を発表しています。教科書も出しており、その業界では有名な人ですが、北アフリカのある国出身の先生の英語は、巻き舌訛りが凄まじく、ネイティブでさえも「何を言っているかわからない」状態です。しかも、この人特有なのか、北アフリカのその国特有の癖なのかはわかりませんが、やたらと早口なのです。
私の知る限り、砂漠があり、商人文化があるこの国では、かなり強引な人が多く、早口な人が多いので、お国柄もあったのかもしれません。相手が何を言っていようと、どんどん喋りまくり、学生に「わかりますか?」なんて優しく聞くことはありません。
学生たちがとくに困るのは、課題の締切日やその内容がわからないこと。板書は文字のクセがありすぎて読めないし、口頭でも説明してくれるものの例の巻き舌訛りのために何を言っているかもわからないのです。
とはいえ、訛りを指摘するのは、人種や性別に対して何かを言うのと同様、差別ととらえられかねません。
この例のポイントは、当の教授は、仕事の本流の方(研究)では実績を出しており、英語の訛りについては、過去いろいろな人には指摘は受けているけれども、全く気にせずに仕事をしているという点です。大学側も先生の訛りについては特に文句を言っていないのです。つまり、仕事の本流の方さえしっかりしていれば、堂々としていれば問題ない、ということです。訛っていようが、多少文法が間違っていようが、仕事が認められていれば問題ないのです。
手に職がある人、職人、エンジニアの発する言葉というのは、ときにぶっきらぼうです。ただ本人に悪意はなく、単に恥ずかしがり屋だったり、しゃべったり書いたりするのが得意ではないので言葉は少なめにして仕事に集中したいだけだと言う人もいます。
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