留学先で「性被害」?危機を招いた意外な原因 窃盗、脅迫、高額請求…本当にあった怖い話

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これも非常によくあるケースです。以前ルーマニアで、日本人学生が殺害されるという痛ましい事件がありましたが、夜の到着便の場合は、どんなに治安がいいと言われる国であっても、できる限り事前に予約した送迎サービスを利用しましょう。

Yさんの場合、事前予約していたにもかかわらず、自己判断で空港の外に出てしまったところに問題があります。送迎の担当者が見つからない時も、それを想定した連絡先を手配会社から受け取っているはずです。慌てずにその番号に電話して、定位置でじっと待っていることが何より重要です。絶対に空港の外には出ないことです!

こだわりの「カワイイ系ファッション」がアダに

■ケース3:カナダ・トロントにて Kさん(高校生・女性)

都内の高校に通うKさんはチアリーディングに打ち込む1年生。念願だった10カ月間の交換留学への参加が決まり、ホームステイをしながらバンクーバー郊外の高校に通うことになりました。現地の高校でもチアリーディング部に所属し、現地生活は順調に滑り出したかに思えました。

ところが2カ月が経った頃、急遽ホストチェンジの連絡が日本の斡旋団体に入ります。どうやらホストファミリーが今後の受け入れを拒否してきたということでした。現地スタッフからの報告では「Kがホストファーザーと親密すぎる場面がある」とホストマザーから苦情が入り、これ以上の受け入れはできないと言われたそうです。

これを聞いた日本の両親が心配のあまり娘を帰国させること決め、大きなクレームとなりました。

その後の本人や現地スタッフとのヒアリングで分かったことですが、Kさんはいわゆるカワイイ系のファッションを好み、毎日短めのスカートを着用していたため、カナダの保守的な田舎町では目立っていたようです。そんな中、宿題を手伝っていたホストファーザーとのようすに違和感を覚えたマザーからの報告に至った、ということでした。

Kさん本人はまったく意識していなかったようですが、ホストマザーはKさんが誘惑したと解釈し、一方、日本の親はそんなホストファミリーを紹介した斡旋団体に対し責任を追及、団体は本人の自己責任だとし、3者でとことん揉めることになってしまったのです。

「郷に入れば郷に従え」と言いますが、日本のファッションは、海外では危険を招く場合があるということを認識する必要があります。海外の学生の出で立ちはTVドラマと違い、Tシャツにジーパンなどカジュアルなことが多く、日本の女子のカワイイ系のスタイル(丈が短めのスカートなど)は、ともすると性被害を招く要因となります。

特に留学で海外に行く際は、現地の学生のようすを観察しつつ、現地になじむようなカジュアルな格好で過ごすことが、事故を未然に防ぐポイントになります。海外にいてもフェイスブックやインスタグラムで日本の友人とつながりますから、自分らしいファッションでいられないのには抵抗あるかもしれません。でも実際、現地での生活を最優先に考えれば、ちょっとダサいかなという格好のほうが、確実にリスクは下がります。

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