最速レビュー!新MacOSが誇る5つの進化点 Siri検索ではMacらしい機能を搭載

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たとえば、iPhoneのレストラン検索アプリ(米国ではYelpなど)で、位置情報を生かしてレストランを検索したり、友人から共有された店を開いたとする。その店へのリンクを、Macで作成中だった「夕食会の招待状」に張り付けようとする際、今まではMacのSafariで再び検索して、YelpのURLを取得しなければならなかった。

「AirDrop」よりシンプルで使いやすい

ユニバーサルクリップボードでは、簡単だ。iPhoneのYelpアプリでその店のリンクをコピーして、Macで張り付け(Ctrl+V)すれば、瞬時にiPhoneのクリップボードの情報がMacに送られ、URLを張り付けることができるようになる。

これまで、AirDropというデバイス間で情報を転送する機能があったが、それよりも格段にシンプルで、活用しやすいマシン間の情報連携方法となった。

5. 操作方法が変わらなかったこと
前バージョンのOSと操作方法は変わらない

今回の新OSは、名称も「OS X」から「macOS」に改められ、iPhoneとの深い連携が施された。しかし、見落とされがちだが、ビジネス活用で最も大きく評価すべきは、基本的な操作方法に変更が加えられなかった点だ。

OSのメジャーバージョンアップには、新たな操作方法やユーザーインターフェースを魅力的にアピールすることも少なくない。しかしmacOS Sierraは、「OS X El Capitan(エルキャピタン)」が利用できれば、迷うことなく使うことができる。

筆者はMacと並行してWindows機も使っている。ここ数年、Windows 7、Windows 8、そして最新のWindows 10とアップデートを繰り返すごとに、その使い方が変わり、戸惑いを感じてきた。自分は新しいユーザーインターフェースに触れること自体に楽しさを感じるため、その戸惑いは「楽しい作業」でもある。しかし、ただ仕事をこなしたい人にとって、OSの進化で操作方法が大きく変わることは、歓迎できないだろう。

またOS X El Capitanの際もそうだったが、新OSを使うために、必ずしも新しいMacを購入する必要がない点も、評価できる。2015年の新OSを導入して、筆者の2012年モデルの古いMacBook Proが、今までよりも早く動作するようになった。

macOS Sierraへのアップデートでも、既存のMacユーザーは、操作方法や動作するマシンなどで生じる「体験の断絶」を経験することなく、スムーズな移行が可能だろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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