ファンドの次もファンドを選んだスシロー 回転ずし首位の成長戦略

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これは昨日、今日でできる話ではない。二十数年やり続けているからこそ、できている。昨日まで原価率40%だった会社が、明日から原価率50%にしようと思ったらよっぽど大きな改革をしなければならない。体が大きくなればなるほど、そういう改革はできなくなる。

再上場の選択はあるが、IRより本業に集中したい

――原価率50%で利益を出せる強靭な経営基盤を持ち、10年以上連続増収のスシローがファンドと組んで上場廃止を選ぶ必要があったのか。

もっと大きくしよう、売上を2倍にしようと思ったときに自分たちの力だけではできないことがたくさんある。また、そういうタイミングでもあった。上場すると何万人もの見えない個人株主ができて、とてもやりにくい。

――ファンドに比べ、個人株主が経営判断の重荷になるようには見えない。

経営陣の役割はステークホルダーを大切にして利益をもたらすということ。再上場してファンドから離れて「うっしっし」という話ではない。年がら年中IR活動をして、今のように本業へ時間を使えなくなる。

――再上場しようという強い思いはなかったのか。

今の株式市場は(上場しても)喜べる状態ではない。再上場は選択肢としてずっとあり続けるが、お客さんや社員のために会社が伸び続けることがいちばん大事だ。

――事業会社にも「スシローを買わないか」という打診があっと聞く。

同業他社にもそういった話が行っていたかもしれないが、買えなかったのだろう。(ペルミラが出した)10億ドルという価格が高いかどうかは、イグジットを迎える数年後に周囲が判断すること。成功すればよい買い物だったと言うだろうし、失敗すれば高い買い物だったと言うだろう。今の時点で高いか安いか判断はできないが、僕は「高かった」と言わせるつもりは一切ない。スシローは成長するつもりだ。

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