なぜ女子大生はコラムニストを目指すのか 無謀な夢?心に潜む就活への対策と嫌悪感
木村:お友達の仕事は、簡単に書けるものだから、報酬が安いのだと思いますよ。生計を立てられない金額の仕事は、副業レベルの証。その何倍も高い報酬のライターさんがほとんどなので参考にしないほうがいいでしょう。媒体によって金額は差がありますが、コラムニストという肩書きでの相場は、1500~2000文字で1万5000円~2万5000円くらいでしょうか。私のもとにも、同じ文字量で1本3000~5000円のオファーが届くこともありますが、よほどやりたい仕事でない限りお断りしています。
亜香里さん:月に10本書いて15万~25万円ですか。普通のOLと比べると大して多くないのかもしれませんが、好きなことでこれくらいもらえれば十分ですね。
「食べていけるかどうか」の分かれ目は…
木村:ただ、亜香里さんはまだ実績がないので、報酬を安くたたかれる可能性があります。しかし、コラムニストとして活動していきたいのなら、「5000円以下の仕事は受けない」などのボトムラインを設定しておいたほうがいいでしょう。
亜香里さん:ある程度は覚悟しているつもりですが、なかなか厳しそうですね……。「食べていけるかどうか」の分かれ目はどこですか? それがハッキリしていれば、家族にも心配かけないと思うので。
木村:定期的に寄稿する媒体がいくつか必要ですし、それが毎週・隔週・毎月などの連載なら言うことありません。また、ある媒体で書いたコラムが評価されれば、他の媒体からオファーが入るようになり、うまくいけば右肩上がりで連載が増えていきます。私自身、一切営業していないのに、この2年くらいで連載媒体の数が倍増しました。コラムニストの強みは「コラムが何よりの営業ツールになってくれる」ことであり、ご家族もそれなりの媒体で連載しているコラムを見たら安心できると思いますよ。
亜香里さん:マツコ・デラックスさんとか、犬山紙子さんとか、コラム以外の活躍をしていて「すごいな」と思いながら見ています。コラム以外でどんな収入がありますか?
木村:名前が売れてくるにつれて、雑誌・テレビ・ラジオなどから、コメント提供や出演依頼が入るようになります。ふだんコラムで書いているようなことを話して報酬がもらえるので、コラムニストにとっておいしい仕事。たとえば週刊誌のコメント依頼では10数分電話で話すだけで数千~1万円程度の報酬がもらえますし、テレビ出演でも2万~5万円程度の報酬が見込めます。それ以外の収入としては、書籍執筆やイベント出演などが考えられますが、いずれもお金の面だけでなく、知名度も上がって仕事がしやすくなるので、一石二鳥ですね。
亜香里さん:本気でやりたいと思っていますが、やっぱり自信はないし、なかなか覚悟が固まりません……。プロのコラムニストで弟子を取っている人はいませんか?
木村:私が知る限り、弟子を取って育てているコラムニストはほとんどいません。ただ、アシスタントとして、リサーチやインタビューのテープ起こしなどの作業を与えながら教えている人は、それなりにいるはずです。アシスタントとして役に立ち、サンプルとして書いたコラムが認めてもらえたら、各媒体の編集者を紹介してもらえるかもしれませんよ。
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