なぜ女子大生はコラムニストを目指すのか 無謀な夢?心に潜む就活への対策と嫌悪感

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亜香里さん:どこかの会社に就職して「会社員をやりながら副業としてコラムニストをやる」という選択肢も考えていたのですが、それはアリだと思いますか?

木村:現実的でいい選択肢だと思います。会社員として定収入を得ながら、少しずつ腕を上げて寄稿媒体を増やし、連載を持つなど知名度が上がってきたらコラムニスト一本に絞ってもいいわけですから。副業で作家をしている人がいるように、コラムニストも副業として成立するはずです。

ネタ切れは?コピペは?炎上は?

まだ大学2年生で就職までの時間的なゆとりのある祐奈さん。天真爛漫なタイプの彼女は、無邪気な笑顔でストレートな疑問をぶつけてきました。

祐奈さん:私は毎日ネタを探すようにしていますが、それでも見つからなくて困ってしまうときもあるんですよ。プロのコラムニストはネタ切れにならないんですか?

木村:「毎日探す」という姿勢は素晴らしいですね。プロになるとそれが習慣になるので、電車に乗っても人間観察したり、中吊り広告を見たり、無意識に何かを探していて、携帯電話のメモ欄などに書き込んでいます。仲間のコラムニストから「ネタ切れで困った」という声は聞いたことがないし、私自身もいくつかのネタがあって「今回はどれにしよう」と迷うことのほうが多いですね。

祐奈さん:あ~、私もいつかそうなれるといいのにな……。でも正直な話、「あれ? これどこかで見たぞ」っていう似た記事をよく見かけます。パクったり、コピペしたりする人もいるんじゃないですか?

木村:「似ている」「コピペでは?」と感じられないように書くのがコラムニストなので、それらは極端に安い報酬で書いている“自称コラムニスト”のものだと思います。実際、私も自分のコラムをコピペされたことがありますし、それは一度や二度ではありません。ただ、コピペをした書き手も、それを見逃してしまった媒体そのものも、見る人々の信頼を失うだけで、マイナスなんですよね。少なくとも、書き手の名前・肩書き・プロフィールの詳細がきちんと書かれたコラムなら、まずコピペはないと思いますよ。

祐奈さん:そっか、私の見る目がなかったということですね! コラムニストは私にとってあこがれの仕事でしかないんですけど……嫌なことってありますか?

木村:楽しさを感じることのほうが多いのですが、時折「う~ん……」ということもありますね。たとえば、ネットが発達した影響で読者から直接メッセージが届くことが増えました。好意的な声がある反面、匿名なのをいいことに批判や中傷を送ってくる人もいますから。「嫌」というよりも、「受け流す」精神的なたくましさが求められますね。

祐奈さん:エッ……私、それはちょっと自信ないかもしれません。今もブログを書いていて、「もし炎上しちゃったら」と思うことがあるくらいですから。ちなみに、プロでも炎上する人っているんですか?

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