なぜ女子大生はコラムニストを目指すのか 無謀な夢?心に潜む就活への対策と嫌悪感
私は経営者や個人事業主に文章の書き方を教える機会があるのですが、自己主張が強く客観性に欠ける人が大半で、なかなか上達しません。若い彼女たちのほうが柔軟で研究熱心。そしてコラムニストに必要な“書き続ける力”と“情報収集力”を持っていたのです。
報酬は1本いくら?何文字何円?
ただ、やる気に満ちた彼女たちにも当然ながら不安もあるようで、私にさまざまな疑問・質問をぶつけてきました。以下に彼女たちとの一問一答を紹介していきます。みなさんも「コラムニストって何者?」という実態を興味本位でのぞき見してみてください。
亜香里さんは就職活動中で、マジメな性格もあって、「コラムニストになるための方法」や「生計を立てるコツ」などの実践的なことを尋ねてきました。
亜香里さん:ライターやブロガーで生計を立てようと思った先輩たちがうまくいかなかったので、私はコラムニストを目指そうと思いました。基本的な質問で申し訳ありませんが、どうすればプロのコラムニストになれますか?
木村:パソコンと名刺さえあれば誰でもコラムニストになれますが、あくまで“自称”に過ぎません。誰でも名乗れるからこそ重要なのは、ウェブや雑誌などの各媒体にコラムを寄稿して報酬を得ること。自分のブログやSNSではなく、媒体に寄稿してこそ初めてコラムニストと言えるので、まずは仕事をもらうことが最初のハードルになります。
亜香里さん:私もウェブを中心に毎日たくさんの媒体を見ていますが、面白いものとすごくつまらないものがあって、玉石混交ですよね。やっぱり大きな媒体を選んだほうがいいんですか?
木村:たとえば、「東洋経済オンライン」「ヨミウリオンライン」「朝日新聞デジタル」「NEWSポストセブン」などの月間数千万から1億を超えるページビュー(PV)のネット媒体なら最高ですし、中小規模のネット媒体でも「Yahoo!ニュース」や「スマートニュース」にピックアップされて多くの人々に見てもらえる可能性もあり、必ずしも大きな媒体でなければいけないということはありません。むしろ得意ジャンルのコラムが掲載されている媒体を狙うのが近道です。
亜香里さん:そもそも実績のない私がいきなり大きな媒体で書かせてもらえるわけがないですよね……。まずは私の得意分野を扱っていそうな媒体を探してみようと思いますが、やっぱり自分で売り込みをかけるんですよね?
木村:何も実績がなければ、もちろん売り込みが必要です。「私はこんなコラムが書けますよ」というサンプルを用意してメールか郵送で送るか、各媒体の編集者が集まるイベントや食事会に顔を出して売り込みましょう。内容に「亜香里さんにしか書けない」オリジナリティがあり、プロフィールに興味を持ってもらえば、チャンスはあると思いますよ。
亜香里さん:オリジナリティとプロフィールですか……やっぱり足りないところばかりですね。図々しくてすみませんが、就活をする上でどうしても報酬が気になってしまいます。ライターとして活動している私の友人が「1000文字1000円で書いている」と聞いて、生意気ですが「それしかもらえないんだ」と思っていました。コラムニストはどれくらい違うのかなって。
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