ところが、これに異を提唱する人が表れました。営業の企画部門で主任をしている矢口さん(仮名)です。
「最近は社内連携の不十分さでお客様からクレームをいただくことが増えてきました。この問題は、すべてをメールで仕事を片付けてしまおうとする風土が原因ではないでしょうか?社内連携を強化するために、自分の部署以外の同僚ともっと接点を増やすべきです」
社内の人間の顔すら知らないために、仕事でミスが起きたり、トラブルが発生しているというのです。ただ周囲からは、今さら面倒な会議を増やすのもいかがなものかと意見が出たそうです。そこで矢口さんは、
「ならば、部署横断で、定期的に飲み会を開催しましょう」
と提案。春夏秋冬、年に4回。主に20~30代の若手社員を中心にイベントが企画することになりました。
社内飲み会でわかった、同僚の意外な顔
その第一弾が年末の大忘年会。会社のそばにある居酒屋に50名近い社員が集結。初回の幹事は、矢口さんを含めた数名で担当。以後は持ち回りで行うことになりました。大忘年会が行われたのは12月の中旬。いまどき珍しい居酒屋の大部屋が会場です。
「同じ会社にいるのですから、お互いの事を知って親睦を深めましょう」
そして、おのおの自己紹介をしたところ、
「同じ大学で、しかもゼミまで同じだったとは……。これからもよろしく!」
というやりとりが。近しい先輩後輩にも関わらず、同じゼミ出身と気づいていなかったようです。
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