知ると安心、クレーマーを怒らせるNG言動 大炎上か、ファンになるかの分かれ道

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たとえばお客様が「上の人を出して!」「責任者出して!」と言うとき、これはお客様の「今のこの問題を早く解決してほしい!」という気持ちの表れです。対応者自身を否定しているわけではないのですから、傷つく必要はありません。

こういったお客様の心理を知らず、逃げ腰の不誠実な対応や、礼儀を欠いた対応をしてしまえば、お客様の怒りを増幅させてしまいます。そしてお客様の気持ちを、「問題を解決したい」から「この会社、文句を言って困らせてやらなければ気がすまない!」へとエスカレートさせてしまうのです。

しかし、正しく対処すれば、クレームを言うお客様は一転、強力なリピーターとなってくださることも多いのです。

先ほど触れた「グッドマンの法則」では、9割のサイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)よりも1割ほどのクレーマーのほうがリピーターになる確率が高いというデータがあります。それも、円満解決のみならず、不満ながら渋々納得したという形であっても、です。「(解決に至らなくても)この会社は、自分の意見に丁寧に対応してくれた」と感じれば、クレーマーは会社の味方に変身してくれるのです。

また、クレームの中には、企業や商品の改善点に対する指摘や情報も多く含まれています。実際、クレームをヒントに開発されたヒット商品もたくさんあります。たとえば今では当たり前となっている、目をつぶったままでもリンスと間違えないギザギザのついたシャンプーボトル、粒の出やすい大きな飲み口のスープ缶なども、クレームが生み出したアイテムです。

つまり、クレームは企業にとっての財産。「貴重なご意見ありがとうございます」という姿勢で臨めば、お客様にも自然に伝わるでしょう。

対応時にやってはいけない5つのこと

しかし、しばしば、小さなクレームが大きなトラブルへと発展してしまうことも。これは、初期対応のミスがほとんどといえます。お客様の怒りに油を注いでしまう「対応時にやってはいけないこと」を、大きく5つにまとめてみましょう。

①クレームを軽く見てしまう

専門部署などで1日に何件も同じようなクレームを受けていると、「またか」と感じてしまうことも。しかし、お客様にとっては初めてのことです。「お客様の口調が穏やかだから」「高い商品ではないし」とクレームを軽視し、内容によって対応を変えてはいけません。クレームをトラブルに発展させる原因になります。

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