(5) 補正予算の規模はいかほどか?
景気対策を兼ねた補正予算の編成がほぼ確実だ。これが「真水で10兆円」規模の需要拡大になるならプラス1点。もっと大きいならプラス2点。実質的に10兆円より小さいならマイナス1点。
財務省は秋に翌年の消費税率引き上げを決定するために4~6月のGDPを持ち上げたいはずだ。また、それは、7月に参院選を控えて好景気を望む安倍政権の利害も同じ。10兆円はやるのではないか。
(6) 「外債ファンド」はできるのか?
アベノミクスの正式メニューに入っているかいなかは微妙なのだが、官民共同で組成する外債ファンドで外債を買い、円高を是正するという案がある。実現しなくても0点、実現するならプラス1点としておこう。
投資を官民相乗りで、というのは政策として筋が悪い。悪くすると、為替・外債を使った政府ぐるみのインサイダー取引(実質的な意味が)だし、金融版の公共事業利権になるかもしれない。しかし、円安は株高に効くので、投資家的には(いささか賎しいが)歓迎すべき政策だ。
(7) 来年度予算はケチか(特に国債発行枠がどう扱われるか)?
新規国債発行額が前年比少しプラスなら0点、マイナスならマイナス1~2点、大幅プラスならプラス1~2点。
デフレ対策が失速するもっともありそうなシナリオは、来年秋に消費税率の引き上げが決まると共に、来年の後半から財政の支出を絞り始める展開だ。そうなる可能性は、早ければ来年度予算案に対する財務省の態度に表れるだろう。さすがに、デフレ対策をやりながら新規国債発行枠を前年以下にはするまいと予想(=0点)するが、来年度予算案には注目したい。
(8) 安倍次期首相が消費税率引き上げ凍結に言及するか?
秋まで何も言わないなら0点、年前半に「あげられると思う」と言うならマイナス1点、引き上げ凍結の可能性に言及するならプラス1点〜2点(言う時期が早いほどプラス大)。実際に凍結したらもう1点プラス。
これら以外にも、為替レートの反応や、景気、物価、長期期金利の動きなど、実際のマーケットの反応を中心に、投資家にとって気になることは、まだまだあるが、まずは、8点あげておくので、時々思い出してもらいたい。
(22日は、山崎元、ぐっちーさん、かんべえ(吉崎達彦)の3氏が、今年1年の世相も振り返りつつ、23日の有馬記念を展望します。ぜひお楽しみに!)
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