モハメド・アリがリング外で戦い続けたこと

「イスラム教、兵役拒否」などで世界揺さぶる

3日に死去したボクシング元ヘビー級王者のモハメド・アリ。ダボスで2006年撮影(写真: ロイター/Andreas Meier)

モハメド・アリのブラックパワー主義は、3日に74歳でこの世を去ってからの数々の追悼、沈思、尊敬の念にはそぐわないかもしれない。しかしこれは世界を形成した、最も重要かつ永続的な彼の功績の一つだ。

1960年後半、自身が黒人であるとの自覚を持っていたアリは、黒人解放運動の超越的かつ世界的な象徴となった。彼は、黒人であることは"誇り"であると世界に叫んだソウル音楽のゴッドファーザー、ジェームス・ブラウンよりも、さらに"黒人"になったのだ。

このヘビー級王者を革新的な反戦主義者へと導いた友人のストークリー・カーマイケルよりも、アリはカリスマ性を持っていた。そして最も重要な指導者マルコムXに啓蒙されたこの王者に自身の名前を授けた社会・宗教運動組織ネーション・オブ・イスラム (NOI)の指導者イライジャ・ムハマドよりも、アリは人々に身近な存在であることを示した。

最近出版されたアリとマルコムXの感動的な友情を描いた本のタイトルのように、彼らは"Blood Brothers(血を分けた兄弟)"のようで、深い知的エネルギーと政治への柔軟な理解を秘めたトラブルメーカーと評された。

マルコム自身の持つスターとしての力により、アリは世界へと導かれ、1964年に世界ヘビー級王者に輝いた。2人はハーレムで昼食をとり、国連を観光し、どこに行こうが後を追ってくる多くの報道陣と言葉でスパーリングをした。

米国で最も有名な黒人イスラム教徒に

マルコムはひそかにイスラム教の信仰を若いアリに持たせようとした。それはNOIや、公的な名声とは矛盾するものだった。マルコムはいかなる手段を用いても権力者に真実を話す方法を、アリに伝授した。

マルコムはNOIを追放された後、アリも含めた以前の仲間に敬遠された。アリは後年、マルコムの味方でいなかったことを公的に後悔した。しかしアリは知らず知らずマルコムの代わりとなって、米国で最も有名な黒人イスラム教徒となった。

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