モハメド・アリがリング外で戦い続けたこと 「イスラム教、兵役拒否」などで世界揺さぶる

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 アリは悪びれず、時には言い訳のしようがないやり方で、黒人の手荒さと外見的アイデンティティを利用。皮肉を交えた発言によって、白人至上主義を痛烈に批判した。アリの長い冒険の旅は公民権運動を勢いづかせた。また、1968年のメキシコシティ五輪では受賞した黒人選手が黒い手袋をはめて拳を高く掲げるパフォーマンスをした。そして米国のリビングルームに反戦感情を広め、今日に至る人種と民主主義の議論を拡大させた。

生い立ちに逆らう「伝説」

彼は決して、自身の政治的急進主義を拒絶しなかった。単に洗練させただけだ。彼は若き日のアクティビズム(積極行動主義)に多くのテーマを組み込むことで、人権主義者、博愛主義者、世界的な使節としてのキャリアを築いていったのだ。

アリは晩年、普遍的なアイコン(偶像)となった。その伝説は時として、複雑な生い立ちを持つという事実に、強く逆らうのだ。

                            (敬称略)

著者のペニール・E・ ジョセフ氏はテキサス大学オースティン校の教授(歴史学)で、同校リンドン・B・ジョンソン公共政策大学院の人種・民主主義研究センターの創設者でもある。このコラムは同氏個人の見解に基づいている。

 

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