「沖縄の貧困」は学歴社会と暴力が生み出した

平均年収は全国最下位、雇用は崩壊状態

里見さんは、まず沖縄最大の繁華街である松山について語る。どこの町でも貧困と繁華街は、密接なつながりがある。

沖縄県最大の歓楽街、那覇市松山

「松山には離島も含めた沖縄県全体から、学歴が低かったり、シングルマザーだったり、経済的に困る女性が集まっている。いろんな風俗がある東京とは、事情は全然違う。朝まで普通に営業しているし、客引きの規制はないし、店は未成年とか平気で雇用する。違法だらけ。松山のキャバクラや性風俗で働くのは、女も男も中卒とか高校中退が多い。高校中退率が高いから、沖縄は中卒だらけですよ。とにかく高校中退がすさまじく多い。高校を辞める理由は妊娠とか、バイトとか、遊んでいるほうが楽しいとかいろいろ。低学歴の人間は、夜以外だったら最低賃金のコンビニか居酒屋、ステーキ店、コールセンターくらいしか仕事ないから」

キャバクラ嬢である里見さんの収入を見てみよう。4歳の子供を自宅近くにある実家に預けて21時に出勤して、朝方3時、4時まで働く。時給は2300円だ。3000~4000円の東京と比べると、格段に安い。1日の賃金は2300円×5時間=1万1500円となる。日払いで支払われるこの金額が丸々収入になるわけではない。出勤ごとに必要なヘアメーク代2000円、タクシー代往復2000円を引くと、7500円しか残らない。週5回働いても、実質的な賃金は16万~17万円程度となる。

「私、いわゆるヤンキーだったけど、今になって本当にキツイ。キャバクラと性風俗は、男も女も高校中退の中卒ばかり。それで、ほとんどシングルマザー。週5日とか働いても16万~17万円くらいしか残らない、シングルだったらギリギリの生活だよ。最低賃金のコンビニだったら、フルで働いても10万~11万円くらいだから生きていけないわけ。私は母親とか祖母に子供を預けられるからマシだけど、家族がいないシングルは本当にキツイ。よく生きていると思う」

琉球大学出身の公務員が頂点の学歴社会

沖縄は琉球大学出身の公務員を頂点とする厳然とした学歴社会がある。学歴がない者たちの月収は、10万~11万円ほど、覚悟を決めて夜の仕事に飛び込んでも10万円台後半が平均となる。有効求人倍率は非正規やパートを含めて1倍を割る0.9と雇用が極端に少なく、那覇市周辺の物価や家賃は内地とさほど変わらない。公務員、大企業のサラリーマン、公共事業に絡んだビジネスで起業に成功した一部の者以外、普通に働いても普通の生活ができないという状態だ。

「そもそも19歳で結婚とか、10代で出産したのが間違いだった。みんなが出産しているから、それが普通なことになっちゃっている」

そう嘆くように、沖縄は“結婚前に妊娠し、第1子を産んだ女性割合”が25.3%(厚生労働省)と「出来ちゃった婚」の比率は高い。さらにその8割以上が10代だ。女性と子供の貧困の原因となる若年出産と高い離婚率は、そもそも県全体に深く根付くヤンキー文化が原因という。彼女も非行少女だった。3年前の成人式で中学校時代の地元の仲間たちは、派手な改造車で会場に駆けつけて大騒ぎし、テレビカメラに囲まれて報道されている。

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