巨人・電通が抱くO2Oの野望(下) O2Oで進化するマス広告

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マス広告の価値も測れるように

もちろん、したたかな電通がそれだけでビジネスで終わらせようと思っているはずがない。販促領域に乗り入れることで、多くのビジネスチャンスが生まれる。

「購入頻度が低い企業にとっては、広告を提案できる。購入頻度が高い店舗に対しても、マーケティングプランの策定など、われわれの得意領域で提案することができる。消費者の利用状況や利用傾向を分析してプランを策定することも考えている」(吉羽氏)。

東京・銀座で行われたPassbookのキャンペーンでは、従来のクーポン施策よりも格段に集客効果が高いと、導入企業も手応えを感じたようだ。実施後の引き合い企業の数も数十件以上といい、市場からの期待も高い。

引き合いは、アパレル企業や百貨店からが特に多いという。固定の機器や端末が必要ない仕組みなので、スポーツや音楽などのイベントへの集客目的の問い合わせもあるという。

さて今後、PASSSSは、どのような展開を見せるのか。

「自社の会員データベースと連携したいと要望するクライアント企業が多い。現在急ぎで開発中だ」と澁川氏。Passbookを、クーポンだけではなくリアル店舗の会員カードやプリペイドカードとしても導入できるようにする。

電通の澁川氏

一般の利用者が、クーポンなどを作成できる無料版のPASSSSも準備中だ。これを使うと、たとえば、結婚式の二次会の招待状などを作って友人に配布するといったことに利用できる」(吉羽氏)。

マスメディアとの連携も強力な武器となる。澁川氏は次のように話す。

「マスメディアなどの効果測定にも有効だと思う。テレビの影響で店舗が繁盛することはよくある話だが、これまで定量化できていなかった。PASSSSを利用することで、サンプルデータがとれる。マス広告の値段は価値があるんだと言える。

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