マス広告との連動は電通として当然、考えていかなければならないことだ。僕らもテレビCMを大まかな予算枠の中で売っている時代があったが、だんだん高い要求が求められている時代になりつつある。その中で、苦闘しながら新しいサービスに挑戦している」
O2O進出の陰には、電通の“苦悩”も見てとれる。
世界進出も視野
グローバル展開も視野に入っている。
「グローバル展開の優先度は高い。アップルの仕組みに乗っているサービスなので、言語対応さえすれば、そのままグローバル展開できる。すでに海外からも引き合いが来ており、年内に海外対応する予定だ。アップル社からもPassbookの機能を良く理解して作り込まれている、ほかにはないサービスだと評価されている」と、吉羽氏は自信を見せる。
国内から世界市場へ出ていくO2Oのソリューションビジネスは決して多くない。電通の動きは注目に値する。
澁川氏は進化するO2Oを次のように語る。「T2O2O(テレビ・ツー・オンライン・ツー・オフライン)の動きもある。さらにC2O2O(カー・ツー・オンライン・ツー・オフライン)。スマホだけではなく、車やカーナビと連携するという話も出てくる」と澁川氏。
T2O2O(テレビ・ツー・オンライン・ツー・オフライン)とは、テレビ番組やテレビCMなどからオンライン(ネット)を経由し、オフライン(リアル)店舗などへ消費者を促す手法のことだ。
たとえば、ある番組を視聴した人にだけ特典を与えて、リアルの場所に集客する。仕組みとしては、番組やCMの中で音声信号を流す。
視聴者が、スマートフォンのアプリなどでその信号を読み取ると、連動したコンテンツがスマートフォンに配信される。視聴者は、テレビで詳しい情報を把握したうえで、クーポンなどの特典をスマートフォンで取得し、店舗などへ行く。
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