未婚男性を追い込む「3%説」に隠されたウソ まことしやかな数字に踊らされていない?

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つまり3%説は、(1)「パーセント」と呼んではいけないものを「パーセント」と呼んでいる、(2)「未婚者が結婚できる確率」とみなしてはいけないものを確率と解釈している、という2つの間違いを犯しているのです。

では、3%説が間違いだとすれば、35歳以上の男性が結婚できる確率は、実際どのくらいなのでしょうか?

言うまでもありませんが、確率とは、ある出来事(事象)の起きる可能性の大きさを数値で表現するものです。確率は0から1の間の数値をとりますが、天気予報の降水確率でおなじみのように、パーセントの形で表示するのが一般的です。

「2005年に35歳から39歳の未婚男性が、5年後までに結婚できる確率」は、次のように計算します。

 アラフォー未婚者の皆さん、ご安心を…!?

分子の「2005年の35~39歳未婚男性のうち、5年後までに結婚できた人数」は、2005年の35~39歳の未婚者数から2010年の40~44歳の未婚者数を引くことで得られます。国勢調査によれば、2005年の35~39歳の未婚者は132万0943人、2010年の40~44歳の未婚者は123万0946人。したがって、この間に結婚できたのは8万9997人(=132万0943-123万0946)です。

その結果、未婚男性が結婚できる確率は、6.8%(=8万9997÷132万0943×100)になります。女性について同様の計算を行うと、6.9%という値が導き出されます。男女とも、約7%ですね。

ここでは未婚者数をもとに確率を計算しましたが、未婚率を用いて同様の計算をすることも可能です。未婚率から「結婚できる確率」を計算するためには、未婚率の差を基準値(この場合は2005年の未婚率)で割る必要があります。単に未婚率の差をとっただけでは、「結婚できる確率」にならないのです。

ただし、公表されている国勢調査の未婚率は、婚姻状態が「不詳」の者を除外して計算した数値であり、その影響で未婚者数を用いて計算した場合の確率と少々ズレが生じます。混乱を避けるため、今回は未婚者数を用いた計算のみを示しました。

ということで、アラフォー未婚者および関係者の皆さん、ご安心ください。35歳以上の人が結婚できる確率は、実際は3%や1%よりも高いのです。……とはいえ、安心できるほど高い数値ではないかもしれませんが。

以上、3%説の間違いについて解説しました。ところが、話はこれで終わりません。

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