自動車株を最も動かす言葉は「駐車」だった

ツイッター解析が示した事業環境の底流

キーワードの順位は企業ごとに多様。三菱自の場合は同社を実質的に傘下に収めることになった日産自が10位に入った点が目を引く。燃費不正問題もあって「ガソリン」の存在感が大きいが、6社の横断で見て、満遍なくポイントを重ねた「駐車」が、首位に立つ結果となった。

市場に影響したキーワードは日々変わっている。EI社の顧客向け資料によると、4月28日の首位はトヨタや日産、ホンダでは「ラリー」、マツダや富士重では「リース」だった。

「駐車」が1〜4月のトップとなった理由について、山本氏は、自動車業界に対する見方が確実に変化した点があると推測する。景気低迷や原油高騰に伴う節約志向から、消費者の目は燃費効率に向きがちだった。しかし、燃費をめぐる不正が相次いで発覚するとともに、熊本地震で避難した人々が自家用車内で夜を過ごす「車中泊」の光景が伝えられ、走っていない時のクルマのあり方がクローズアップされた、というのだ。

ロングセラーとなっているホンダの軽自動車「N-BOX」(2013年の東京モーターショーで、撮影:尾形 文繁)

同氏は変化の前兆を示すものとして、燃費競争よりも居住性を重視したホンダの軽自動車「N-BOX」などが販売好調を続けてきた点を挙げる。

「駐車している間も含めて、24時間働いてくれるマシンこそが自動車の存在価値なのだとすれば、N-BOXやミニバンである日産『セレナ』やトヨタ『シエンタ』など、居住空間をウリにした車種が売れるところに、その兆候が表れていた。そして、熊本地震を機に、1つにつながった」(山本氏)。

山本氏は「『駐車』している時間は思いのほか長く、駐車場代や車庫証明、駐車違反の罰金といった維持コストも無視できないことを改めて想起させたのでは」と語る。こうした部分も「首位獲得」に寄与したわけだ。その上で「米国でのキャンピングカーの例を考えると、ミライのクルマは単なる移動手段ではなく、自ら発電・給水できる移動可能な居住空間として、言葉通り『自家用車』になっていくのかもしれない」と述べている。

EI社は今年に入り日経平均株価で同様の解析を実施。1月の日経平均に最も影響したキーワードは「原油」だった、との調査結果を公表している。

4月のコンビニでは「おにぎり」と「ガリガリ君」

自動車以外の業種別調査として、4月にコンビニ3社株の出来高に影響したキーワードもランクづけした。トップに来たのは、熊本地震で被災者に差し入れられて、改めて存在感を示した「おにぎり」だった。

値上げが話題になったアイスの「ガリガリ君」も、上位に来た。しかし、セブン&アイ・ホールディングス(HD)の鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)退任表明が大ニュースとなった「セブンイレブン」の影響力は、長続きしなかった。この辺りは自動車と同様、意外感がある。

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