熊本、インフラ復旧進む中で残る「不安の種」 豪雨・暴風による土砂災害にも警戒が必要
熊本県は20日、熊本地震の死者について同県警が検視して確認した47人以外に、「エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓(そくせん)症)」とみられる震災関連死などが11人に上ると発表した。
大規模な土砂崩れが起きた同県南阿蘇村の捜索現場では同日午前、捜索隊が新たに1人を発見した。
同県によると新たに発表した死者11人は、熊本市7人、阿蘇市1人、御船町1人、益城町2人。死因はエコノミークラス症候群のほか、避難所での急性心不全、建物の下敷きになっての圧死などとしている。
停電解消には見通し、一部地域でガス復旧
同日午前、南阿蘇村河陽の高野台地区で発見した1人について、同県警などは安否や性別などの確認を急いでいる。一方、同県は、19日に南阿蘇村長野の「ログ山荘・火の鳥」で見つかった女性について、香川県東かがわ市の鳥居洋子さん(37)と身元が判明したと発表した。
気象庁によると、14日以降、20日午後1時までに観測した震度1以上の揺れは692回となった。
熊本地震の影響で14日以降、全線不通となっていた九州新幹線が20日朝、新水俣(熊本県水俣市)ー 鹿児島中央(鹿児島市)で6日ぶりに運転を再開した。約9万5千人が厳しい避難生活を送る中、熊本県内で停電の解消に見通しが付き、一部地域でガスが復旧するなど、生活再建への動きも進んでいる。