熊本、インフラ復旧進む中で残る「不安の種」 豪雨・暴風による土砂災害にも警戒が必要
この日、新水俣−鹿児島中央で運転を再開した九州新幹線は、通常より少ない1〜2時間に1本程度の臨時ダイヤで運行。JR九州によると、高架橋の柱などの損傷箇所は約150カ所に拡大。同社は大型連休前の全線再開を目指すとしていたが、4月中の再開は困難との見方も強まっている。
九州電力は20日未明、熊本県高森町での停電復旧作業を完了。残る約3700戸が停電している阿蘇市と南阿蘇村でも同日中の解消を目指す。西部ガスは、安全が確認された熊本市内の一部で、16日以来となるガスの供給を再開。水道はなお同県内約10万世帯で断水している。
熊本空港では20日、航空各社が東京、大阪などの発着便を増便する。19日に一部区間で運行を再開した熊本市電は20日、始発から全線で運行を再開した。
九州自動車道などで通行止めが続く高速道は、一部区間で緊急車両の通行が可能となった。経済産業省によると、熊本県内のコンビニエンスストアの96%が営業を再開、ガソリンスタンドも9割超が営業を始めているという。
21日は雷雨や暴風になる恐れ
熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震で、気象庁は20日、「震度5強、5弱の地震が19日にあり、活発な活動が収まる気配は見えない」との見解を示し、引き続き警戒を呼び掛けた。21日には大雨の恐れがあり、土砂災害や河川の増水にも注意が必要とした。
19日夕から夜には、熊本県八代市で震度5強、5弱が連続した。震源はほぼ同じ場所で、地震活動が活発な地域の南端付近だった。
地震回数は増加傾向にある。マグニチュード(M)3・5以上は、1995年以降に内陸や沿岸部で起きた同規模の地震の余震回数(M3・5以上)と比べ、2004年の新潟県中越地震の同時期を上回り過去最多ペースで推移している。
21日は、前線を伴った低気圧が西日本を東に進む影響で、雷雨や暴風になる恐れがある。
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