ベンツ「Gクラス」はいったい何がスゴいのか 3510万円!本格4WDの開発責任者に聞く

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「一部ライン化している部分もありますが、未だにGクラスはほとんどが手作業で組み立てられています。そのノウハウが蓄積されていますので、今後も生産はグラーツで行います。工場には37年間ずっと働いている熟練の職人もいます。これは37年間も基本のデザインや基本構造を変えずに作り続けているGクラスならではのエピソードでしょう」

37年間に渡り綿々と造り続けられてきたGクラスは、メルセデスだけでなく今やオフロードモデルのアイコンになっている。

「それは誕生から今に至るまで、決してブレることのない思想があったからこその結果だと思います。はじめからアイコンとなるべきクルマを作ろうと思って誰もが作れるものではないと思います。まず、特別な機能を持ち、その機能をカタチにした存在がとてもユニークだったといえます。そして進化を止めることなく、性能を磨き上げた。形を変えなかった、ブレることがなかったからこそ結果的にアイコンとしての存在感を増したというご指摘も間違いではないでしょう」

では具体的に、これまでどのような進化を遂げてきたのか。

2017年にフルモデルチェンジされるという噂

ラグジュアリーカーに匹敵するインテリア

「オフロードでは最高峰のパフォーマンスをもち、それを損なうことなく最新の技術でアップデートし続けました。例えば、インテリアはラグジュアリーカーに匹敵するほどの質感とデザイン、装備を持っています。これらは時代やニーズと共に進化した部分。37年前のモデルを知れば、随分豪華になったと思われるでしょう。今やラグジュアリーセダンにあってGクラスにないものはないともいえます。

安全装備の充実も行ってきました。駐車や狭い場所での取り回しをサポートするパークトロニックや車間距離を自動でキープするディストロニック・プラス、ブレーキアシストといった安全運転支援システムも備えています。しかし、基本はデビュー時から何一つ変わっていない。これが、Gクラスが未だに愛される理由なのだともいます」

G63 AMG 6×6やG550 4×4²に続くスペシャルモデルのプランはすでに出来上がっている?

「誰もが知りたいところですよね。しかし現時点では、我々のポートフォリオの中でユーザーニーズを満たす車両を開発し、発売するとしかお答えできません(笑)。例えば皆さんならどんなGクラスが欲しいでしょうか(笑)。」

Gクラスは2017年にフルモデルチェンジされるという噂があるが、それは本当だろうか。

自動車業界のよい伝統が綿々と引き継がれているGクラス

「実は私もインターネットでその噂を知りました(笑)。フルモデルチェンジすると思いますか?(笑)現在のところ、Gクラスに生産中止の予定はないということはいえます。Gクラスには自動車業界のよい伝統が綿々と引き継がれています。例えばドアを閉める硬質な音などはスペシャルですし、ドアノブのデザインなどもかなり古いものです。Gクラスのいたるところに、自動車の伝統を感じさせるパートが未だに息づいています。

ただし、中に入って座ると、ラグジュアリーカーとして他車に劣っているところはないともいえます。そうした意味でもGクラスは特別でニッチなクルマです。誰に対しても満足してもらうクルマではなく、本物の世界観を味わいたい方に向けて造られるという基本姿勢は、これからも変わることはないでしょう」

(文:櫻井 健一、写真:荒川 正幸)

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