ベンツ「Gクラス」はいったい何がスゴいのか 3510万円!本格4WDの開発責任者に聞く
エンジンが異なるとはいえ、見慣れたGクラスのボディに、22インチホイールと325/55R22サイズのタイヤを装着し、車高を大幅に上げているのだから、そのルックスはまさに原寸大のチョロQ。只者でないことは誰の目にも明らかだ。
さらに、アグレッシブなデザインを採用したフロントバンパーや、大口径の22インチホイールを収めるオーバーフェンダーのデザインは、G63 AMG 6×6との関連性をいやでも印象付けるが共に立ち位置は違う。5月31日までの限定受注受付というオーダー方法で、価格は3510万円。何もかもがレアなスペシャルなのである。
メルセデスはこのモデルをして「究極のオフロード性能に日常性をプラスした、デイリーユース可能なフラッグシップモデル」だという。そこで頭をよぎるのが、いったいどんな意図で、そしてどんなカスタマーに向けての製品なのかという疑問。ジャパンプレミアのために来日した、Gクラスの開発責任者であるグンナー・グーテンケ氏に話を伺った。
毎日乗りたくなるエクストリームGクラスを
グンナー・グーテンケ氏は、2001年にダイムラー社に入社し、トラック部門の調達ディレクターやアフターセールスの統括などの重職に就き、2014年より現職。初めてGクラスの開発責任者に抜擢されたときには、どうその事実を受け止めたのか。
「ひとつのクルマの開発に携わりその責任を負うということは、非常に光栄でもあり、また重圧がかかるものでもあります。最初にこのオファーがあったとき、実際すでにその時点で気持ちは決まっていたのですが(自分の気持ちを)落ち着かせるために一晩考えさせてくださいと話しました(笑)。それほどまでに興奮していたんです。歴史と伝統あるGクラスの開発が行えるのは、自動車メーカーにいる者として誰の身にも起こりうることではなく、特別なことでしょう。非常に光栄です」