これにはBBCやVOAなど欧米のメディアは敏感に反応し、また、中国のインターネットも王衛星論文は女性蔑視であると厳しく批判して、「これまで読んだ中で最も愚かで人を傷つける文章だ」「むかつく」などと書き込み、王論文は炎上した。
さすがに中国の当局もこの論文を問題視して削除し、翌日にはどのサイトでも見られなくなった。削除を指示したのは習近平主席であったとも言われている(先に引用した『多維新聞』)。
力ずくで台湾を押さえようとしている
以上の諸事例にみられる中国は一方的、非常識であり、力ずくで自己の主張を通そうとする姿勢が目立つ。なぜか。
中国がこれまで支持してきた国民党は大敗を喫した。中国が負けたわけではないが、台湾政策が期待した効果を上げられなかったのは否定できない事実であり、これは中国の問題だ。中国においては焦りが生じているのではないかと思う。
一方、蔡英文新政権の滑り出しは順調だが、大事なのはこれからだ。経済状況いかんでは、台湾の中国に対する依存度が再び高くなることもありうる。
台湾人の政治姿勢は過去4年間で大きく変化したことにかんがみれば、これから4年間で再び変わるかもしれない。また、台北市長に無党派の柯文哲が当選したことに示されているように、台湾では国民党支持でも民進党支持でもない第三の勢力が大きくなりつつある。
いずれにしても、今後、与党民進党も、下野した国民党も、またいわゆる「第三の勢力」も台湾の変化を吸収して政治に反映させていけるかが問われることになる。
中国としてもこのような台湾の状況に注意し、台湾人の願望を尊重することが必要なはずである。
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