悲惨な「LINEいじめ」からわが子を守る方法

子は親の「スマホの使い方」をよく見ている

――ただ、ある程度年齢が上がると、フィルタリングを嫌がる子どももいそうです。

確かに、『高校生にもなってフィルタリングなんて恥ずかしい。他の子はみんなかけてないよ』と子どもに反発されるかもしれません。

そこで感情的になって子どもを叱っても、『うっさいな』と部屋に閉じこもってしまうのは目に見えています。大切なのは、『あなたを愛していて、あなたの命を守るために設定する必要がある』ということを親が素直に子どもに伝えることです。

例えば、『気持ちはわかるけど、ニュースであなたと同じくらいの年齢の子が、スマホで悪い人にだまされて命を落とす事件が報道されていたの。お母さん、あなたに嫌われてもいいからあなたの命だけは守りたい。あなたのこと大好きだから、フィルタリングは外せない』と。親からこんなふうに言われたら、子どもは言い返せません。

親が「お手本」となる行動をしているか

まずは、『家族みんなでリビングで使おう。充電もリビングでしよう』と、家族間で決めることです。LINEで相手を傷つけるようなことを言ったり、グループから外したりするような子はたいてい、自分の部屋にこもってLINEをやっています。リビングでやってる子は、親の目があるので心理的にブレーキがかかり、相手をおとしめるような書き込みはしないことが多いです。

そもそも最近は、親自身が、友達とLINEをやりとりしながらご飯食べていたりします。子どもは親の行動を『お手本』としてよく見ていますから、親がそんな行動をしていては、子どもに注意しても『ママだってやってるじゃん』と反発されて示しがつきません。

『ご飯の時はスマホ持ち込まずに、家族で顔を合わせてご飯食べようね』と決めて、親子のコミュニケーションの時間を確保しましょう。親子のコミュニケーションの時間があると、子どもの異変やSOSにも気づくことができ、いじめやトラブルに早く対処できます。

もしも、以前に比べてあまり笑わなくなったり、学校や友達の話題を避けるなど、いつもと違う様子に気づいたら、『私はあなたの味方だから、いつでも相談してね。どんなことがあっても守っていくよ』と言ってあげてください。その時は話せなくても、あとで子どもはちゃんと相談に来ます。

また、スマホがかかわる事件や、ネットいじめを苦にした自殺が報道された時は、親子で、『どうすればこの子は被害に遭わなくてすんだんだろうね』『なぜ命を絶ってしまったんだろうね』と話し合うことも大切です。こうしたことを家庭内で1つずつ実践していくことが、子どもを被害者にも加害者にもしない一番の方法だと思います。

安川雅史(やすかわ・まさし)
全国webカウンセリング協議会 理事長。1988年大学卒業後、高等学校教諭を経て、2005年、全国webカウンセリング協議会理事、06年同協議会理事長に就任。ネットいじめ、不登校、ひきこもり、少年犯罪問題等に取り組み、全国各地で講演会や研修会をおこなっている。 新刊に「子どものスマホ・トラブル対応ガイド」(ぎょうせい)

 

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