悲惨な「LINEいじめ」からわが子を守る方法 子は親の「スマホの使い方」をよく見ている
例えば、体育の後で脇汗びっしょりになっている写真や、あくびをして鼻水が少し出ているようなところをひどいアングルで撮られて、『臭いんだけど』『気持ち悪い』『よくこれで彼氏とか作れるよね』と、みんなでその子を笑い者にしていました。
あるとき、裏グループのメンバーの1人が『あんたの写真集あるんだけどすごいよ、見てみる?』と、わざわざその子に見せたんです。すると、写真を見たその子はショックのあまり引きつけを起こして学校を早退し、翌日から不登校になりました。
精神的に追いつめられて親がいない間に自傷行為をするようになり、『転校させた方がいいのか』と親から相談があったんです。
――誰かが広めた噂やささいなケンカから、深刻ないじめに発展してしまうんですね。
今の子どもたちは、家に帰ってからもずっと友達とLINEでやり取りしています。LINEで1日中つながっていれば、友達の欠点が目につくこともあるでしょう。しかも、LINEの短い文面のやり取りでは真意が伝わらず、誤解が生じてそこからいじめに発展することがあるのです。
例えば、LINEのスタンプ1つでも、相手の受け取り方によっては誤解されることもあります。彼氏にふられた子を励まそうと明るいスタンプを送ったら、『私はこんなに落ち込んでるのに、なに喜んでるの?』とケンカに発展した事例もあります。
フィルタリングをかけないのは親として無責任
子どもを待ち受けるスマホトラブルは、ネットいじめだけではありません。性別も年齢もごまかせるネットの世界で知り合った相手を信じて会いに行き、性被害などの犯罪に巻き込まれるケースは後を絶ちません。
子ども自身が、ネット上で無防備に個人情報を公開したり、見ず知らずの人とつながらないことも大切ですが、親が子どもを犯罪からまもるためにぜひしてほしいのが、『フィルタリング』です。
フィルタリングとは、『アダルト』『薬物』『出会い』『自殺』といったキーワードに該当する有害なサイトを閲覧できないように設定することです。警察庁の発表によると、コミュニティサイトの利用により、犯罪被害に遭った子どもの95.2%が、フィルタリングの設定をしていませんでした(コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果について 平成26年上半期)。
フィルタリングは親が自分で設定できますし、設定してもLINEやゲームはできます。フィルタリングをかけなければ、どんなに有害なサイトも使い放題見放題です。これをせずに子どもにネットを使わせるのは、親として無責任です。