オバマ大統領の広島訪問は核廃絶への一歩か 「核なき世界」は2009年より難しくなっている

[広島 20日 ロイター] - 1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下され、大勢の人々の命が一瞬にして奪われた。この年の年末までには約14万人が死亡した。
オバマ米大統領は27日、安倍晋三首相に付き添われ、現役の米大統領として初めて、世界初の被爆地となった広島を訪問する。
日米両国は、オバマ大統領の広島訪問を、強固な日米同盟の証しと世界の非核化への一歩として位置づける。しかしこれは、過去の戦争をめぐる恣意(しい)的な記憶喪失と核政策に関するパラドックスだと批評する人々もいる。
原爆投下が戦争を終結させた
オバマ大統領の側近は、大統領が謝罪しないと述べた。また、核不拡散を自らの政策課題の柱にし、2009年にはノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領だが、広島と長崎への原爆投下の正当性をめぐる議論にはくみしないとみられている。
広島への原爆投下から3日後の1945年8月9日には、長崎にも原爆が落とされた。日本はその6日後に降伏した。
米国人の大多数は、原爆投下が戦争を終結させ、多くの米国人と日本人の命を救うために必要だったと考えている。とはいえ、歴史家の多くはこうした見方を疑問視している。ほとんどの日本人は、原爆投下が不当だと思っている。