オバマ大統領の広島訪問で「核廃絶」は動くか

核軍縮の専門家・鈴木達治郎長崎大教授に聞く

4月11日、G7外相会合の最終日に原爆慰霊碑に献花したケリー米国務長官(中央)。オバマ大統領は、5月27日の広島訪問でどのようなメッセージを発するのだろうか。
伊勢志摩サミット終了後の5月27日、オバマ大統領が被爆地の広島を訪問する。現職の米国大統領としては初めての歴史的できごととなる。2009年4月にオバマ大統領がチェコの首都プラハで核兵器廃絶演説を行ってから7年が経過したが、核軍縮の機運は薄れ、むしろ軍拡の脅威が広がっている。被爆者との対面や核軍縮への決意表明はどうなるのか。核軍縮や核セキュリティに詳しい鈴木達治郎・長崎大学核兵器廃絶研究センター長・同大学教授に、オバマ大統領の広島訪問の意義や期待について聞いた。

 

――オバマ米大統領の広島訪問に何を期待していますか。

訪問は被爆者を初めとして、核廃絶をめざす世界の専門機関や市民団体などが長らく願ってきたことであり、勇気のある決断に敬意を表したい。

広島訪問に際してはまず第一に、きのこ雲の下で何があったのかを知るために原爆資料館に行き、被爆者に会って被爆の実相を肌身で感じていただきたい。そして何が起きたのか、感じたことを自身の言葉で話してもらうことが、核兵器の非人道性、核使用の悲惨な結末について世界に知らせるうえで大きな力になる。

第二に核兵器は使うことができない兵器であるとのメッセージを発してほしい。さらに、このような結末を迎えたそもそもの原因は「戦争」であり、戦争がなくならない限り、また別の大量破壊兵器が開発される。これを機に日米両首脳が第二次世界大戦の反省を踏まえて二度と戦争を起こさないということをコミットしていただきたい。

そして第三には第一点目ともつながるが、核兵器廃絶に向けて具体的に踏み込んだ発言をしていただきたい。たとえば、北東アジアの非核化に両国で取り組むといったことが考えられる。

核兵器近代化計画に大きな問題

さらに期待しているのは、核抑止に依存しない安全保障の枠組みを構築しようというメッセージを出すことだ。そして、今回は長崎には訪問しないが、スピーチの最後には、「長崎を最後の被爆地に」というメッセージを入れていただきたい。

米大統領の広島訪問については、当センターや私も一員である日本パグウォッシュ会議の有志でも声明文を出している。そのうち後者では、高濃縮ウランやプルトニウムなど核兵器につながる核物質を軍事目的および民生用目的の両面において、なくしていく努力の必要性についても述べている。

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