――オバマ大統領がチェコの首都プラハで「核兵器のない世界」をめざすと表明してから7年が過ぎました。この間に核軍縮はどれだけ進んだのでしょうか。
当初は新戦略兵器削減条約(新START)の調印、2010年核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議の合意成立などかなりの成功を収めた。
しかし、オバマ政権2期目の前後からウクライナ問題の顕在化や北朝鮮の核実験などを発端に、核軍縮が進まなくなってきた。
これには米国の責任も重い。核兵器近代化計画という30年にわたって総額110兆円(1兆ドル)以上も費やす戦略を打ち出し、核軍縮と逆行する方向に進んでいったからだ。
核弾頭の数は減らしていきつつも、より精度が高い高性能の核兵器に更新して核抑止力を維持するというのが「近代化計画」の狙いだ。小型でも確実に標的を破壊できる核兵器の開発計画は、「より使いやすい核兵器」を生み出す恐れがある。さらに、ロシアや中国の反発を招き、両国が軍拡に走り出すという逆効果につながっている。この近代化計画はオバマ政権の最大の汚点とも言える。
この記事は有料会員限定です
残り 1320文字
