マザーマシン難攻不落の地、米国へ

森精機・現地工場レポート

機械を生み出す機械。“マザーマシン”とも呼ばれる工作機械は、自動車や電機、精密などの産業を支える基幹的な存在だ。技術力の高さから日本勢が国際的な競争力を保っている。その大手、森精機製作所が新たな局面を迎えている。

米国カリフォルニア州サンフランシスコから北東へ車を1時間半ほど走らせたところにある閑静な学生街、デービス市。この街の外れに唐突に現れる灰色の巨大な建屋が、工作機械大手、森精機製作所の北米新工場(タイトル下写真は工場に隣接する研究開発拠点)だ。

建物面積はおよそ2万平方メートル、総額50億円を投じて建設された。同社初の単独での海外生産拠点である。7月からの試験稼働を経て、今月から本格生産へと移行した。

世界4極の生産体制を確立

北米新工場の稼働をもって、森精機は資本提携先の独ギルデマイスターとともに、日本、米国、中国、ドイツの世界4極生産体制を確立した。なぜ、いま北米進出なのか。勝算はどこにあるのか。

足元で欧州や中国の景気減速で頼みの海外受注が落ち込む中、米国は自動車増産などを背景に唯一と言っていいほど工作機械マーケットが好調だ。工作機械の業界団体である米国製造技術協会(AMT)ディレクターのマリオ・ウィンターシュタイン氏も「『製造業回帰』や生産性向上を目指した各社の設備投資を背景に、少なくとも今後3年は米国での工作機械受注は順調に推移するだろう」と語る。

森精機は、北米工場の進出をテコに、現在10%強という米国でのシェア(台数ベース)を2020年までに20%にする方針を打ち出している。ただし、道のりはそう簡単でもない。

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