7月参院選、四国・九州の「当落」はどうなるか 香川では共産候補が野党統一候補に浮上

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結局、民進党香川県連は5月10日、県議の岡野朱里子氏の推薦を発表した。苦言とも解することができる16日の小池氏の発言は、これについてのものだった。

実は4月末に、いったんは田辺氏を統一候補にすることで合意がなされていたという。しかし民進党の県連の中で「共産党の候補では戦えない」という声が強く、ぎりぎりまで候補を探していた。そしてようやく岡野氏の擁立となったのだ。

今回、共産党を立てないならば、悩ましい問題もある。次期衆院選だ。民進党の県連関係者は、「香川のせいで、共産党が次期衆院選で民進党に協力しないと言いだせば困る」と悩ましげだ。果たして、民進党はどのような判断をするだろうか。

福岡は自民盤石、公明が独自候補

続いて九州。福岡から見ていこう。自民党の目標は70万票。過去の実績からいって、これは不可能な数字ではない。ましてや1人擁立では、容易に達成するだろう。

公明党は定数が2から3に増員されたことをうけ、元外務官僚の高瀬弘美氏を擁立した。もともと福岡選挙区が3人区時代には、独自候補を擁立していた公明党。24年ぶりの独自候補を擁立するため、九州全土から応援部隊が集められることになっている。

引退する大久保勉参院議員の後継として民主党が公募で選任したのは、元福岡放送アナウンサーの古賀之士氏だ。福岡選挙区は2010年に比例区で当選した西村正美氏も狙っていた。夫の山本剛正元衆院議員が福岡県を地盤としていたからだ。しかし所定数の推薦人を集められなかったため、選挙区からの出馬を断念。次期参院選も比例区からの出馬の予定だ。

おおさか維新の会は32歳の森上晋平氏を擁立したが、浸透度が課題だ。2014年の衆院選では橋下徹維新の党共同代表(当時)が福岡にやってきて演説したが、現場を取材した記者によると、「立ち止まって聞く人は少なかった」という。それでも過去2回の選挙で獲得した票数は、共産党を上回る。共産党は苦しい闘いになっている。

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