7月参院選、四国・九州の「当落」はどうなるか 香川では共産候補が野党統一候補に浮上

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村山富市元首相を生みだした大分は、社民党の勢力が強い。よって民主党(当時)と社民党と連合が協議し、民主党(当時)と社民党が交互に候補を出しあう「大分方式」という非自民の共闘が行われてきた。次期参院選で出馬するのは、民進党の足立信也参院議員だ。

2013年の参院選では、第3極と言われるみんなや維新も参加できる候補の擁立を試みたが、選定過程のもつれから、社民党系の候補が擁立されたものの、連合と民主党(当時)は推薦未満の支持や自主協力だった。

次期参院選も共産党から協力をもらうことの抵抗感から、共産党と社民党は推薦を出さず、彼らは足立氏に対して実質的な支援にとどめる予定だ。

地震の影響で自民党有利に

熊本では昨年12月、市民グループと野党との最初の結集として、弁護士の阿部広美氏が立候補を表明。共産党は候補を降ろしている。

2010年の参院選ではこの度改選になる自民党の松村祥史参院議員、2013年は自民党の馬場成志参院議員が勝利している。しかし2010年の参院選で野党が獲得した票を合計すると、松村氏が獲得した票より多かった。こう考えると阿部氏は善戦しそうなものだ。

ところが、4月の大震災がこれを変える。いまだに1万人近くの人が避難所での生活を余儀なくされており、一刻も早い復旧が望まれている。そういう場合に頼りにできるのはやはり与党で、自民党にとって有利な展開になる可能性がある。

与野党の対決よりも、常に自民党内での対決が見ものなのが宮崎だ。古くから中山成彬氏・江藤拓氏・長峯基氏対上杉光弘氏・坂元裕一氏の争いがあった。とりわけ長峯氏と上杉氏は同じ参院平成研にいたにもかかわらず、その争いは激しかった。

長峯氏は2期目を目指した2001年の参院選では、現職であるにもかかわらず上杉氏によって公認を外される。その仕返しが3年後の参院選で、長峯氏は自民党公認の上杉氏ではなく、かつての秘書で無所属の松下新平氏を猛烈に応援した。そのせいで上杉氏は落選したが、長峯氏も県連から除名されたのだ。

このような人間関係のややこしさは、次期参院選も続いている。野党統一候補の読谷山洋司氏は総務省出身で元内閣府参事官。読谷山氏は2010年自民党県連の公募に応募したが、松下氏に敗退。2013年も応募したが、長峯誠参院議員に負けている。そこで3度目には野党を狙い、念願の出馬となったという次第だ。

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