――いわゆる「向横心」の時代において、多くの人々はどのような仕事に就くことになるんでしょうか。
藤原:このままいくと、日本は公務員が半分になりますよ。ヨーロッパの成熟社会ってほとんどがそうなっているんだけど。
渡邉:どうしてですか?
藤原:公務員で支えないと雇用が吸収されないから。だから、「教師をもっと増やそう」という話になると思う。
渡邉:ギリシャみたいに、公務員が雇用全体の半分になってしまうということですか。
藤原:20〜30年で普通にそうなると思う。
渡邉:すでに1000兆円以上の借金があるにもかかわらず?
藤原:だから公務員の給料レベルは下がりますよ。ワークシェアリングをすることになる。
渡邉:ああ、そうか。
お年寄りの資産に課税する
藤原:教員のほかにも、警察官や自衛官も増えていく。
それに加えて私が提案したいのは、「災害救助予備隊」。震災はまた起こる可能性が極めて高い。そのときに備えて、自衛隊の横づけで、「災害救助予備隊」という援助部隊を作る。そこに、何をすればいいのかわからなくて、フラフラしている若者を吸収して1〜2年雇用するわけ。年収は200万でも250万でも、要するに食えればいい。
渡邉:普段は訓練をしているんですか?
藤原:そう。1~2年、厳しく鍛える。もうこんな苦しいことは嫌だと思うくらい。
渡邉:戸塚ヨットスクールみたいな。
藤原:はっきり言えばそういうこと。そうした1~2年間を途中退役しないで耐えたら、それは1つの資格になるわけよ。しかも、こういう訓練を受けると、自活する力がつくので、親元で暮らすような奴がもうちょっと減るんじゃないかと思う。
渡邉:徴兵制みたいな感じですか。
藤原:そう。「災害救助予備隊」で、20万人ぐらい雇ってもいいんじゃないかな。すごいでしょ。
渡邉:支出もすごいですね。200万円ずつ10万人でも2000億円。予算が足りないでしょう。
藤原:そのために、65歳以上のお年寄りが持つ1500兆円の資産に課税するんですよ。
渡邉:それはいいですね。
藤原:いいでしょ。「この税金は、皆さんの財産を守るためですし、孫たちのためにもなります」と説明すれば、おそらく「ノー」とは言えないと思うんです。