「幼児教育」がもたらす驚くべき経済効果 脳医学発達で効用が明確に、親の就労拡大も

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早期教育のための取り組みは、すでに各国で実施されている。英国では2014年、年間所得が約2万4000ドル未満の世帯に対する公的補助が拡大され、2歳の子供が週15時間の教育を年38週間受けられるようになっている。今では2歳児の約4分の3が保育園に通い、母親の就労機会の拡大に貢献している。

経済界も動きだしている。米テネシー州では、かなり早い段階からビジネスリーダーらが早期教育に対して投資を行ってきた。その経験からは、単に就学児の数を増やすのではなく、その後の就学ステージとも連携した教育を提供することの重要性が認識されている。

バフェット氏の娘も一役

公共と民間をつなげる取り組みも生まれている。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏の娘スーザン・バフェット氏が設立した「Alliance for Early Success」は、8歳までの子供の健康、学習、経済的事情など、さまざまな状況の改善につながる投資を行っている。

教育と健康との関係については、米カリフォルニア州も重視する。小児科医に働きかけ、子供の健康や成長に親がどう関与すべきかについて周知活動を行っているのだ。

さらに米テキサス州が早期教育への投資を優先課題とするほか、米ニューヨーク市は年間3億ドル以上の資金を投じ、6万5000人以上の子供を保育園に通園させている。

低所得層の子供の就学に積極的に取り組んでいるのが、米ユタ州である。そのプログラムには、米ゴールドマン・サックス社とJ・B・プリッツカー財団が700万ドルを投資している。またカリフォルニア州サンマテオ郡では、寄付金などで集めた資金と、200以上の組織からの協力を得て、早期教育プログラムが実施されている。

早期教育実施についての手本はいくらでもある。われわれが目指すべきは、経済的な有効性を見極めたうえで、地域に合った早期教育プログラムを実施していくことだろう。

ローラ・タイソン 米大統領経済諮問委員会元委員長

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Laura Tyson

米カリフォルニア大学バークリー校教授。ロック・クリーク・グループのシニアアドバイザー。

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レニー・メンドンカ マッキンゼー&カンパニー元取締役

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