流通優位を象徴するセブンプレミアムビール サッポロが初のPB

拡大
縮小

セブン-イレブンでビール系飲料を購入する消費者は、総菜やつまみを同時に買う人が多く客単価が高いことから、セブンはこの分野の取り組みを強化してきた。今年6月には「グランドキリン」(キリンビール)、9月には「ザ・エクストラ」(アサヒビール)と、セブンと国内ビールメーカーによる共同開発ビールを相次いで投入した。

その流れに沿えば今回は、セブン&アイとビールメーカーの共同開発第3弾となる。だが、これまでの2つは、「セブンプレミアム」商品ではなかった。最大のインパクトはビールの缶に「セブンプレミアム」のロゴが初めて入ることである。

PBはメーカーにすれば自社ブランドを一部犠牲にすることになる。一方、サッポロは国内ビール大手4社中4位と上位には差をつけられている。ビールという中核ビジネスをPB化することに伴う犠牲を払っても得られる対価が大きいと、サッポロは判断したということだろう。

「国産ビールメーカー初のPBビール」を取り込んだセブン&アイ。国内食品市場では、”流通優位”の勢いが増していることを象徴している。

(撮影:尾形 文繁)

福田 淳 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ふくだ じゅん / Jun Fukuda

『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などを経て編集局記者。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT