バカルディに挑むサントリー 輸入ラム酒で激突
ラム酒をベースにミントの葉やライム、砂糖を加えた爽やかなカクテル・モヒートが20~30代の女性の間で近年人気を博している。低アルコールで手軽に飲めるRTD商品(Ready to Drinkの略語、そのまますぐ飲める缶チューハイや缶カクテルなどを指す)の広がりもあり、今年1~8月の国内ラム酒市場は前年同期比14%増に拡大。今後も成長が見込まれている。
この分野で強いのがキューバで発祥したバカルディである。「バカルディモヒート」や「バカルディキューバリブレ」などのブランドを保有。国内ラム酒市場ではバカルディブランドがシェア1位と推定される。日本法人のバカルディジャパン(本社・東京都渋谷区)はサッポロビールと業務提携関係にあり、サッポロは日本国内における独占販売権を保有している。
その牙城を突き崩そうと、サントリー酒類(本社・東京都港区)が動き出す。10月23日から輸入ラム酒「BRUGAL(ブルガル)」シリーズ(=写真=)を新たに発売して攻勢をかけるのだ。
ブルガルはスペインや米国など世界25カ国以上で飲まれているラム酒ブランドで、販売数量世界第3位、ラム酒の本場カリブ海エリアでは第1位と本格的な味がウリのラム酒ブランドだ。アジアでは流通しておらず、日本がアジア初の商品投入となる。
サントリーはラム酒の分野で、「サンタテレサ」「サントリーラム」の2ブランドを展開してきたが、売上数量でバカルディの半数にも満たないとみられる。世界的に強い「ブルガル」ブランドの投入で、若い女性の需要を取り込み追い上げる算段だ。