孫社長も注目するO2Oって何?
ネットを制する者はリアルを制す

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スマートフォンを持った消費者は、常時ネットにつながっている。いつでもどこでも自分の好きなサービスや必要な情報をネットから得ることができる。ソーシャルメディアを利用して、自らも情報を発信し、友人・知人と共有し合う。

新しい消費者の台頭をいち早く敏感に察知した企業は、この流れに本気で向き合い、スマートフォンを基点にしたサービスや、スマートフォンとソーシャルメディアの特性を生かしたサービスを次々に生み出している。

さらに、IT業界での重要なキーワード「ビッグデータ」が今後のネットとリアルの融合したO2Oの世界にも大きく関わる。

「ビッグデータ」に明確な定義はないが、単に量が多いというだけでなく、様々な種類・形式が含まれるデータのことを指す。これまでは収集・管理ししきれず、見過ごされてきたデータ群を解析することで、ビジネスに利用しようという動きが出てきているのだ。

O2Oでは、ネット上で収集できるデータだけではなく、リアル店舗への来店履歴、購買情報にまでデータの収集領域は広がる。

こうしたデータをうまく活用できれば、ネット上の広告・販促情報が個人に最適化され、リアル店舗への効果的な集客や売り上げにつなげることが期待できる。

冒頭に挙げた阪急阪神グループのO2Oも、ビッグデータの活用をにらんでいる。実証実験では、アプリの利用状況や鉄道・バスの乗降情報、商業施設での購買情報などのビッグデータを活用。消費者の興味や関心にマッチした情報をタイムリーに届けるための検証に取り組むという。

拡大を続けるネット企業と店舗を持つリアル企業とが重なり合うO2Oの世界。そこでは、今までの商習慣の常識では考えられないような新しい消費世界が生まれつつある。

三井住友カード、ビックカメラも参入

加えて、注目されるのは、スタートアップ企業がO2Oサービスで起業できるという点だ。

前述の「Retty」以外にもいくつもの企業が現れている。代表的なものが、スポットライト社の来店ポイントサービス「スマートフォンポイント(スマポ)」だ。

商品を購入しなくても、参加企業のリアル店舗に“来店するだけでポイントが貯まる”というサービスだ。ポイントは参加加盟店の共通ポイントになる。

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