「不倫から抜け出せない人」に共通する考え方 ありのままの自分を受け入れられているか

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「それではいけない」と考え、「やめなくては」と思う人も多いだろう。だが、冒頭のHさんのように「やめたいけど、やめられない」状態に陥ってしまう人もいる。

これは、

やめたい = 罪悪感、バレたら大変(周囲の批判、社会的信用を失うなど)
やめられない = 愛情・幸福感・自己肯定感を得られる

 

とすると、

「やめたい < やめられない」

 

と表すことができる。すなわち、罪悪感にさいなまれリスクを認識しているものの、報酬の方が大きいと判断している状態である。理性より感情の方が優っており、今の気持ち、足元の気持ちを優先させ、将来の視点が乏しい状態ともいえる。

依存症から抜け出すには?

不倫も含めて依存症から抜け出したい場合は「考え方、習慣を変えること」が肝要だ。ファブリーズの大ヒットを解説してみせた「習慣の力」(チャールズ・デュヒッグ)によると、人間の日常行動の4割以上は習慣だという。となれば、習慣が人生を左右するということは間違いない。習慣となっている行動を変えれば人生が変わる。

しかし、これがとてつもなく難しいのが依存症の怖さである。習慣はそう簡単には変えられない。特に自分に報酬をもたらす習慣についてはなおさらである。

そこで大事になってくるのが「考え方」である。

・「自分はなぜそれを欲するのか?」
・「自分が本当に得たいと思っているものは何か?」
・「問題となる行動をとらずに、それを得られる方法はほかにないか?」

 

なぜ今の状況に陥ったのか、過去を振り返り、受け入れることは回復する上での非常に重要なステップである。それを踏まえた上で、具体的に習慣をどう変えていくか検討していく。人は感情の生き物でもあり、欲求を抑えることはストレスにもなる。であれば、問題とならない範囲で同じ報酬を得られる別の行動で代替できればいい。薬物やアルコールなどに限らず、不倫であっても新しい習慣を生み出すことが抜け出す一歩になる。

西村 優里 ファイナンシャルカウンセラー

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にしむら ゆうり / Yuuri Nishimura

ファイナンシャルカウンセラー/一般社団法人ウーマンフィナンシャルカウンセリング協会 代表理事  

幼少期の虐待経験の反動によって学生時代から洋服やバッグ、エステや宝石などの高額商品をクレジットカードで衝動買いするようになる。社会人になってからも買い物がやめられず浪費を繰り返し、返すために借りるという自転車操業に。20代で借金が500万円になる。 「このままではいけない、人生を立て直したい」との思いから一念発起、借金返済に取り組む。同時に、試行錯誤しながら独自の方法で依存症からも回復。 これまでの経験から「一人でも多くの女性の助けになろう」と決意、一般社団法人ウーマンフィナンシャルカウンセリング協会を設立。自身の経験を活かし、買い物依存症の脱却から貯蓄まで幅広く対応できるフィナンシャルカウンセラーとして親身に個別相談にのるなど活動中。 著書に「買い物依存症OLの借金返済・貯蓄実践ノート」 (合同フォレスト)、「今度こそ「貯められる女」になる67のルール」 (大和出版)がある。

一般社団法人ウーマンフィナンシャルカウンセリング協会

http://woman-fca.com/
 

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