渡邉会長の常勤復帰で見えたワタミのリスク 「彼らの中計は全然ダメ」

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部門ごとに見ると、主力の居酒屋事業は営業利益8.6億円(前年同期比37.1%増)と減価償却が減ったことを主因に増益。既存店の前年比売上高は96.4%と10年以上に渡って前年割れが続いている。収益源だった介護事業も人件費の増加や有料老人ホームの建設認可が厳しくなっていることが影響し、営業益は22.4億円とほぼ横ばいだった。

気を吐いたのは宅配弁当。宅配拠点を積極的に増やしたことが寄与し営業利益13.2億円(前年同期比52.2%増)と好調だった。もっとも、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブンミールなど競合も続々と宅配事業を強化しており、楽観できる経営環境ではない。

桑原社長が持ちかける

桑原豊社長は「ますます経営環境が厳しくなる。後半うまく行くとは考えていない」としたうえで、「もう1度高い成長をできるワタミに作り直そうと、非常勤で会長をしている渡邉に常勤になるよう私から持ちかけた」。13年1月に戦略会議を設置し、今後の成長策を練り直す方針だ。渡邉氏の指揮の下でもう一度ビジネスモデルを作り直し、10年後に売上高4000億円を目指す。

(タイトル下写真は昨年11月、東洋経済のインタビューに答える渡邉氏、撮影:梅谷 秀司)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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