ソフトバンク 孫正義 世界一への野望 売上高で世界第3位へ

拡大
縮小

「自信があります」 強気支える30年史

「ソフトバンクが大赤字というのは、みなさんの残存イメージだ。とっくに過去の話だ」

スプリント買収発表会見でこう語った孫正義社長。実は、年初から同様の発言が目立っていた。

「予想を上回るペースで借入金の返済が進みつつある。今までの計画を変更し、成長投資と株主還元も考慮して運営していくよう、方針を明確に転換していきたい」。これは、4月の決算説明会での発言だ。

2006年のボーダフォン買収により約2・5兆円という借入金(純有利子負債ベース)を抱えたソフトバンクは、「14年度末までに純有利子負債ゼロ」というスピード返済の計画を掲げ、ここ数年は大型投資を封印してきた。

アイフォーンという強力な武器を手に入れた後は、成長が加速。潤沢なフリーキャッシュフローを基に、計画を上回るペースで借入金返済を進めると、孫社長は「純有利子負債ゼロ」の方針を「適正水準」に改め、再び巨額投資の可能性をほのめかし始めていた。

10月1日に発表したイー・アクセスの完全子会社化には金額ベースで約1800億円を投じ、業界内では「これが言っていた大型投資か」とささやかれた。だが、実際には序の口にすぎなかったわけだ。

次ページ1丁、2丁と来てついに「6丁」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT