札幌市電ループ化!すすきのの何を変えたか 冷めた市民の声が多い中で利用者数は増加?

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もちろん、中には市電ループ化で何度も利用しているという人はいたものの、総じて見るとあまりすすきのには大きな影響をもたらしているわけではないようだ。

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長いアーケードで知られる狸小路商店街(写真:puddy / PIXTA)

実は、ループ化にともなって新たに誕生した狸小路電停にほど近い狸小路商店街でも「ループ化の効果はさほど感じられない」という。同商店街事務局は、「データを取ったわけではないが、ループ化してから商店街を訪れる人が増えたという実感はない。狸小路電停で降りる人はよく見かけるが、それが商店街に来ているわけではないようだ」と話す。

もともと、ループ化に伴って延伸された、すすきの~西4丁目間は、市営地下鉄南北線と平行しているほか、札幌駅からすすきのまで通じる地下街もある。大通やすすきの、狸小路付近を訪れる人は地下鉄や地下街を利用するケースが多く、ループ化は札幌の繁華街にはあまり関係ないというのが結論のようだ。

それでも市電利用者は増えている

しかし、それでも実際に乗客は増えている。もちろん開業直後の“ご祝儀”的な部分もあるだろうし、鉄道ファンが乗車している側面もあるだろう。だが、それだけとも言えないようだ。札幌市交通局は、「もともとここ数年で市電の利用者数は増えている」と話す。

札幌市が公開しているデータを見てみると、確かに市電の利用者数は微増傾向。1日あたりの平均乗車人員で見ると、平成22(2010)年度の2万0074人を底として、平成26(2014)年度には2万2292人まで増えている。その背景には、「市電沿線でマンションの新たな建設が目立つ」(札幌市交通局)という事情があるようだ。実際に沿線を歩いてみても建設中のマンションが複数目につくなど、活気があるのは間違いない。

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