格安フィリピン留学、3つの「不都合な真実」 安いのにはそれなりの理由がある
1.世界第三位の英語公用語国→英語のネイティブではない
フィリピンは世界第三位の英語公用語国ではありますが、国語として使われているのはフィリピノ語(言語的にはタガログ語)です。英語はあくまで公用語で、フィリピン人にとってネイティブ言語ではありません。英語が母国語ではないフィリピン人は、学校以外では英語を使いません。
2.優秀なフィリピン人講師→実は外国人に英語を教えた経験がない
フィリピンの英語教師は同国の子どもに英語を教えるために教育されており、多くは外国人に英語を教えた経験はありません。15年前、韓国人が初めてフィリピンに英会話学校を作るまで外国人が同国に英語を習いに訪れる、という発想がまったくなかったからです。英語学校の宣伝では「優秀な大学講師」だの「競争率100倍を勝ち抜いた講師」などと紹介されていますが、外国人に英語を教えた経験がある人は少ない状態でした。
マンツーマン用の教材がなかった
3.マンツーマンで学べる→勉強とは言えない単なる話相手
フィリピン留学の最大の特徴はマンツーマンで学べる点です。しかし、同国には長らく、マンツーマンに適した教科書や教材がありませんでした。生徒と教師が2人で会話して英語を学ぶ、という概念がなかったからです。
グループレッスンで教えることが前提となっている教科書は教師が一方的に教えることを念頭に置いているので、会話式のレッスンには向かないのです。かといって、自己紹介や単なるフリートーキングの繰り返しはきちんとした授業と言えず、英語の上達度は限られます。
当時、私が通っていたのは韓国系の英会話学校でした。実はフィリピン人の英語力に最初に目を付けたのが、韓国人だったのです。1997年に起きた通貨危機以降、韓国は海外進出と英語学習が大ブームとなり、2000年初めにフィリピンのセブ島に本格的な英会話学校を作ったのが始まりです。2005年に私がフィリピンを訪れた際、同国にはこうした、韓国人が作った韓国人のための英会話学校しかありませんでした。
留学して痛烈に感じたのは、「質の低さ」でした。彼らは「米国や英国に留学するより格安である」ことをウリに、フィリピン留学を猛烈に宣伝していましたが、その実態については上記で述べた通りです。
しかし、フィリピン人の英語力自体には無限大のポテンシャルを感じていた私は、既存の英会話学校とはまったく違う学校を作ろうと考えました。そこでまず取り組んだのが、3つの弱点を強みに変えることでした。
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