車を売らないショールームに人が集まるワケ ベンツは試乗、マツダは開発者と会話できる
体験イベントは新しい取り組みだが、ショールームは開設からまもなく5年で既に6万6000人が来場。カフェに来たついでにメルセデスの車に初めて触れ、購入に至ったケースも数多くあるという。
日本のメルセデス・ベンツユーザーのボリュームゾーンは50代の男性だ。小口マネージャーは「ユーザーの年齢層が高いという従来のイメージを変えたかったので、まずはブランドに気軽にふれてもらえるようにした」と話す。SUVの試乗イベントには30代、40代の参加者が7割を占め、狙い通りとなった。
MBJは約300万円から買える新型「Aクラス」など手頃な小型車の拡充が奏功し、2015年度の販売台数は約6万4000台(前期比3.5%増)と16年ぶりに国内輸入車販売台数で首位に躍り出た。その勢いはイベントの集客にも表れている。
マツダもブランド発信を積極化
国内メーカーに目を転じると、ここ最近気を吐いているのがマツダだ。2015年度は全体市場が低迷する中、前期比3.4%増の約23万2000台を販売し、国内主要自動車メーカー8社の中で最も高い伸び率となった。そのマツダもブランド発信には力を入れる。
今年2月には大阪の梅田に国内初の直営ショールームを開設。黒い壁に取り付けられたソウルレッドの新型ロードスターがまず目を引く。ロータリーエンジンを積んだ往年の名車「RX-7」を取り上げた本やマツダのデザインテーマである「魂動デザイン」のオブジェなども置かれ、従来型のショールームとは一線を画した雰囲気だ。
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