コマツ工場に投石被害、操業一時停止だが影響は限定的 中国デモの傷跡
コマツをはじめとする建設機械メーカーにとって、中国は生産、販売両面で重要な国だ。その中国における反日デモで、コマツは工場の窓ガラスを割られる被害を受け、中国6工場の操業を一時停止した。ただ、中国の建機需要は2011年の春先以来低迷しているため、もともと工場は低稼働。不幸中の幸いで、生産停止がしばらく続いても影響は小さそうだ。
コマツは9月16日に、山東省済寧の工場で、デモ隊の投石により窓ガラスが割られる被害を受けた。被害総額は不明だが、稼働に支障はないという。これを受け、コマツは17日と18日、中国に6カ所ある生産拠点すべてで操業を停止した。日本人駐在員と現地従業員は全員自宅待機とした。
19日に江蘇省の3工場は操業を再開。投石の被害を受けた工場を含む山東省の3工場は、念のため19日も操業を見合わせた。20日以降の稼働再開は状況をみながら判断する。
一方、日立建機の中国の拠点は、19日現在デモによる被害は受けていない。15日に安徽省合肥市の油圧ショベル工場近辺で大規模なデモの予告があったため、日本人駐在員23人を10月初旬の国慶節明けまでをメドに、全員帰国させた。ただ、工場は生産調整明けの17日以降、現地スタッフにより通常操業している。
2011年春先から、中国の建機需要は低迷を続けている。コマツの中国工場の稼働率は平均30%程度、日立建機も月2週間の生産調整をしている。そのため、デモによる操業停止の影響は限定的とみられる。だが、三一重工など現地の建機メーカーが力をつける中、今回のデモは今後日本メーカーの販売にマイナス影響を及ぼす可能性がある。
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