アパレルから弁護士へ転身した男の恋愛観 弁護士の婚活事情最前線<5>
その中でも、史也のようにアパレル業界で働いていたという弁護士は非常に珍しい。彼は、持ち前のセンスと豊富なブランドの知識を活かし、セレクトショップに並ぶ商品を買い付けるバイヤーとして働いていた。
そのセンスは、弁護士となった今でも遺憾なく発揮されている。無造作なようでいて計算しつくされたふわっと柔らかそうなヘアスタイルに、派手ではないが女性ウケも良さそうな可愛いネクタイ。日本人が着るとおじさんくさくなったり、やりすぎ感が出てしまうスリーピースのスーツも、いやみなく着こなす。
また、何を着ていいのか悩む人も多いオフィスカジュアルも、彼の得意とするところだ。スーツのイメージが強い弁護士だが、裁判所に行く予定や、打合せの予定がなく、一日事務所で過ごす日は、働きやすいカジュアルな服装で過ごすこともあるという。
弁護士の結婚相手に多い職業ナンバー1は?
史也が勤めるのは、所属弁護士数が100人を超える大規模法律事務所だ。一般民事、企業法務等、様々な案件を幅広くカバーするが、彼はその中でも最近ホットな事業承継を専門としている。前職の人脈を活かし、アパレル企業のクライアントもいるという。
所属する弁護士数が多ければ、当然パラリーガルや秘書など弁護士をサポートする職業の人数も多いわけで、所内恋愛カップルもちらほらいるそうだ。付き合っているうちは周囲に内緒だが、結婚すれば公表するというのは一般の企業と同様だという。
弁護士の結婚相手として一番多い職業は定かでないが、事務所の秘書と結婚する弁護士が多いことは事実だ。弁護士と結婚したいなら、法律事務所の秘書になるか、自分が弁護士になるかのどちらかが確実だなどと冗談を言う人もいるそうだ。
弁護士との結婚を狙って秘書になる人がいるのかどうかは疑問だが、自分から積極的に出会いの場に行かない限り、女性と出会う機会の少ない激務の弁護士にとって、近くでサポートしてくれる優しい女性に心惹かれることは多いのだろう。
もっとも、史也自身は、気まずくなるのはいやだからと、所内恋愛には消極的なようだ。
史也に恋愛について聞くとはぐらかされることが多いが、彼が女性にモテるであろうことは容易に想像できる。
史也は、少し眠たげな目元に、形のよい鼻と唇をした、クセがなく、誰からも嫌われることのないタイプの顔立ちをしている。また、前職がアパレル業界だけあって、女性の髪やネイルのわずかな変化も見逃さず、すかさず、すごく可愛いね、おしゃれだね、と褒める。
女性は共感を求め、男性は解決を求める生き物であるという違いから、話を聞いてほしいだけの女性に対し、男性が現実的なアドバイスをしてケンカが起きるというのはよく聞く話だ。