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2017年1月に就任する米国の次期大統領を数多くの外交問題が待ち構えているのは明らかだ。その一部は長い間、尾を引いている。北朝鮮の核への野望、中国の世界進出戦略、ロシアのたちの悪い野心、そしてもちろん、機能不全に陥った中東の混乱などである。
誰も事前に予想しなかった危機に新大統領が見舞われる例は多い。2001年のジョージ・W・ブッシュの大統領就任時に想定されていた問題は、国防費増額や対空防衛ミサイル配備、長年にわたる多国間の軍縮義務の解除などだった。しかしふたを開けてみれば、ブッシュ政権の8年間は、アフガニスタンやイラクなど、完全に予期していなかった問題で忙殺された。
サウジの先行きは不透明
次の政権が発足した際にも同様の事態が再発するかもしれない。可能性がある事例をいくつか紹介する。
サウジアラビアから始めよう。中東における現在の混乱、特に、主要な国民国家の弱体化と過激派による暴力に強い関心を抱く人にとって、この王国の深刻な危機はダークホースとは言えない。サウジはしばしば、王制の維持に相当額の石油収入を費やして、政治上の弱点を克服してきた。
同国の政治的安定は続く可能性もあるが、信頼性は低下しつつある。原油安が長期化するとともに、(制裁を解除された)イランなど新たな産油国も台頭してきている。
大抵の国の基準からすれば、サウジの財政にはかなりの余裕がある。しかし、一部地域への影響力を強めるイランに対抗するとともに国内の不満に対処するのに、財政負担の増大は避けられない。中東情勢が分裂して過激化している中、サウジの審判の日は近いかもしれない。
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