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米大統領選で共和党候補指名を争う不動産王ドナルド・トランプ氏の躍進に対して、人々は興味と恐怖が混じった反応を見せている。
当初は嘲笑の的だった同氏の選挙活動だが、最近ではミシガン州やミシシッピ州の予備選などで快進撃を続けている。トランプ現象をどう説明すべきか専門家たちは四苦八苦しているが、最適な比較対象がある。イタリア首相を3期務めたシルビオ・ベルルスコーニ氏だ。
世論操作はお手のもの
両者には複数回の離婚歴や実業家であるなどの共通点がある。もっと重要な共通点は、内容不足を話術でごまかす能力、注目を集めるためならうそも辞さない姿勢、批判的な人々を黙らせようと躊躇なく脅すやり口だ。
ベルルスコーニ氏の政策には一貫性が欠如しており、選挙戦では票獲得のため過激な発言も辞さなかった。彼の政治目的は、自らの事業の利益または保護だった。
トランプ氏も同様だ。仮に彼が大統領の座に就くと、どんな事態が待ち受けるのか。米国憲法は政治の暴走を防ぐ機能を備えるが、民主主義の強力な武器は世論操作でもある。ベルルスコーニ氏同様、トランプ氏はその武器の扱いに長けている。
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